「連句について聞きました」》》》こちら
米元ひとみさんに連句について聞きました。
Q 連句を知ったのはいつ頃ですか? やるようになったきっかけは?
ひとみ 知ったのは、俳句を詠みはじめた2003年ごろだったと思います。図書館で俳句の入門書を探していて、矢崎藍さんの『おしゃべり連句講座』(日本放送出版協会・1998年)をたまたま手に取りました。連句を巻く座の実況中継のかたちで紹介してあり、お洒落で知的な遊びだと思いました。
実際にするようになったきっかけは、俳句のサイトで、偶然ひとりの連句の経験者に出会ったことです。数回相手をしてもらい、思考が深いとおだてられてはまりました。
Q 連句と俳句の違いは?
ひとみ 俳句はその一句がうまく詠めればいいわけですが、連句は同時にひとつ前の句も輝かせないといけません。そこが面白いところです。句会の仲間はライバルですが、連句の仲間は家族を思うような気持になります。
Q 連句をはじめてから、つくる俳句に変化はありましたか?
ひとみ はい、まず「季語を入れる」という当たり前のことが、有難く思えてきました。それから、より具体的な描写をとか、ちゃんと眼目のあるようにとか、いろいろなことに気をつけるようになったと思います。
Q 歌仙を取り仕切るホスト役ともいうべき「捌き」、客人たる「連衆」、やるならどっち?
ひとみ 歌仙にはまったものの、仲間がおらず、未経験者ばかり誘って巻いたので、泣く泣く捌きの役をせざるを得ませんでした。するなら連衆がいいです。
Q こんな歌仙はイヤだ!(鉄拳という芸人さんのネタです)
ひとみ はい、ですからもう金輪際、未経験者ばかりの歌仙はイヤです。何度やってもヘタな人とするのも(笑)。
Q 連句のおもしろさとは?
ひとみ 説明が難しいので、先日巻いた三吟歌仙「逆光」を例にとらせてください。
発句 逆光に花の紛るる大樹かな 四童
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囀りのした地層のあらは 天気
35 滅ぶとも満開の花ゆらすまじ 四童
ここで私が挙句をつけることになりました。制約はたくさんあります。七七で春の季語を使う。「地層」からうんと離れつつ、「滅ぶ」に関連付けたい。うんとお目出度くしたい。韻も踏みたいし、風景もくっきりさせたい。私の美学として、発句の「逆光」とも照応させたい。どうすればいいんでしょう、十四文字で。
洗濯して掃除してお皿洗いして…と、ふっと思いつきました。滅ぶ→戦国時代→凧合戦。おお、季節も春。地層からうんと離れた空で決まり。目出度くするには「人湧く」としよう。「峡に」で景はくっきり、しかも合戦と韻を踏んでいる。凧はぐんぐんあがって発句の「逆光」にきらめいているのでありました。
挙句 峡に人湧く凧の合戦 小雨
このような高揚感が味わえることですね、歌仙のおもしろさは。(註*)
Q オススメの参考書を教えてください。
ひとみ 安東次男『歌仙』(青土社・1981年)。石川淳、丸谷才一、大岡信とそうそうたるメンバーで私には難解なのですが、宗匠安東次男の毒舌がたまりません。
(註*)歌仙「逆光」はこちら↓
http://6605.teacup.com/ukimidorenku/bbs/819