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2012年9月25日火曜日

●いわきのこと 宮本佳世乃

いわきのこと

宮本佳世乃



週刊俳句に関さんが記事を寄せていたので、私も参加者として感じたことを残しておこうと思います。

私は7月にプロジェクト伝のいわきツアーに参加しました。ツイッターでの呼びかけを見たのがきっかけです。

最初は、私が行っていいのか、参加して何かできるか、はたまた、どんな格好で行けばいいのかなんてことまで考えていました。でも、上野駅でスーパーひたちに乗り、いくつもの蓮田を超えて、現地で迎えてくださった人々と話しているうちに、とても恥ずかしくなりました。私は、自分がどう思われるかとか、どうやって自分を守ろうかなんてことばかり考えていたんだって。

震災は一年半前にあって、私は(私たちは)いま、ふつうの生活を毎日送ってて。ふつうって、じゃあ、何? っていうと、衣食住、役割、活動休息、排泄、性、睡眠、おしゃべりなど、「その人にとって当たり前の」自分らしい生活なのかなって思ってます。

たぶん、それは、命が守られていることをはじめ、安全なコミュニケーション関係を築ける人がいること、自分の意思で何かを選ぶことができること、人権や尊厳が保たれていること、つまり安寧であることなんかが内包されている気がするんです。

だから、実は、被害が大きかったところを歩いたり、お話を伺ったり、二つに割れた鳥居を見たりしたのは、ものすごくつらかったし、ものすごく怖かったんです。それらと対峙することで、自分自身の内面をナイフにうつされているような思いでした。

せっかく参加したからすぐに意味を見出さなくてはいけないような気もしていた。今思えば、あせらずに時間をかけて、体験に意味付けをしていけばよかったんですけどね。

ただね、参加者として、というより一人の人間として、被害の大きかった地域にバスが止まったと同時に乗客が一斉に立ち上がって写真に撮るのは耐えられませんでした。ツアー中、もし私がそこに住んでいる人だったらどう思うだろう、ってことばかり考えていました。

写真で表す情報量は確かに大きい。誰に、どのように伝えるかによっても、おおくの効果を得られる。今回の週刊俳句の写真も、伝えていることはたくさんあると思います。

ただ、そこには人がいて、人びとたちぞれぞれの「ふつう」があって、それぞれの生活がある。あったんじゃなくて、今も、あるんだということ。たとえその土地に住んでいなくても、あるし、いる。「生」は続いているんだということ。それって、そんなに甘いもんじゃねーぞ、っていうことをしっかりと意識しておきたい。

せっかく来たんだからいわきでとれた魚を食べさせたかったと涙ぐみながら言ってくれたお父さん。逃げろ! と宿泊客を避難させても、写真を撮り続けたゑびすやさん。公民館で出してもらった大事な野菜。自分の子供世代が地元の野菜を食べないことを嘆いていた人。突然伺ったのに、じゃんがら念仏踊りを一緒に踊らせてくれ、また、鉦の指導もしてくれた菅波青年団のみなさん。円形の古墳のざりがにとか蛙とか。あ、それから、猫とか。シーフードケーキ(おいしいかまぼこ!)を食べさせてくれた「かねまん」の社長さんとか。

見てきたことももちろんだけど、人びとの様子とか、はなしとか、絶対に忘れない。


みやもと・かよの
1974年生まれ。「炎環」同人。「豆の木」会員。現代俳句協会青年部委員。2010年、合同句集「きざし」

2012年6月24日日曜日

〔今週号の表紙〕第270号 沖縄の屋根 宮本佳世乃

今週号の表紙〕第270号 沖縄の屋根

宮本佳世乃


那覇の国際通りから少し歩くと、「壺屋やちむん通り」という焼き物の小道があります。

そこかしこにシーサーがいて、大きなガジュマルの樹や、古い井戸なども見どころです。

半日くらい散歩したあとに、草花に埋もれたような屋根を見つけました。


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2012年5月15日火曜日

〔今週号の表紙〕第264号 ダム放水 宮本佳世乃

〔今週号の表紙〕
第264号 ダム放水

宮本佳世乃



新緑が気持ちのいい季節になりました。

写真は渡良瀬・草木ダム。

近くに富弘美術館があります。

カメラをダムに向けると、すこし、気温が下がったような心地がしました。


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2012年2月7日火曜日

●「彼方からの手紙」第3号配信のお知らせ

「彼方からの手紙」第3号配信のお知らせ

宮本佳世乃


立春の日に京都の写生の研究会に参加したら、斜め前の男性が、これ持ってる? と「彼方からの手紙」を見せてくれました。きゃ~、それ、私なんです(ドキドキ)。

ということで、季刊「彼方からの手紙」第3号を配信いたしました。この手紙は、セブンイレブンのコピー機を使ったネットプリントで、コピー機から俳句が出てきます。山田露結×宮本佳世乃+毎号ゲストをお迎えしています。

今回のゲストは御中虫さん! しかもテーマは「虫」。あらゆる場所に虫が散りばめられています。漢和辞典の用意をして、ぜひぜひセブンイレブンへ!


【ネットプリントの受け取り方】

1. セブンイレブンへ行く。

2. コピー機の「ネットプリント」を選択して予約番号を入力する。

3. 手順に従ってプリントを開始する。

予約番号 46184182
プリント料金 60円
配信期間 2月4日(土)~11日(土)23時59分まで

※県内にセブンイレブンがないのよ、という方がいらっしゃいましたら、ツイッターで @ka4no までご連絡ください。

どうぞよろしくおねがいします。

2011年7月24日日曜日

〔今週号の表紙〕第222号 虹 宮本佳世乃

今週号の表紙〕第222号 虹

宮本佳世乃



あなたにこの虹のすべてをあげよう

すべての半分をそろえてあげる
水の半分
海の半分
茜の半分

それから
雲の半分
朝の半分
光の半分

風の吹く丘
ハイビスカス

彼方にある
すみか


写真はワイキキビーチ。



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2011年6月19日日曜日

〔今週号の表紙〕第217号 渡良瀬 

今週号の表紙〕
第217号 渡良瀬

宮本佳世乃


あるところに行って思いだした質感というのは、ほんとうになって私のそばに寄りそう。
消えることがない思いは、生きている限りたくさん積もる。
それ以上でもそれ以下でもない。
それらを引き受けていくことがすべて。

いつも、どこかに境界がある。
すこし俯瞰できればいいのかもしれないけれども、そうすると何かが遠くなる。
その何かが、やけに人心地があって、すこし俯く。

くらくらしたまま、離さずに、離れていく。

写真は渡良瀬渓谷・下松島橋(わたらせ渓谷鐵道小中駅近く)。雨あがりに。

2011年6月4日土曜日

●週刊俳句・第214号を読む 宮本佳世乃

週刊俳句・第214号を読む

宮本佳世乃


少数派かもしれませんが、私は週刊俳句の表紙と後記が大好きで、毎週そこから読みはじめます。

今回の表紙は、梅雨に入ったこの時期にぴったりです。雨とその背後にうつるぼんやりした集合住宅めいたもの、そして青っぽい何か。濃いめの赤いフォントが魅力的。雨の日の湿度や、気分というよりも、雨であるという事実だけを伝えているように思いました。

ウラハイでみる写真とは一味違って、文字色の効果があります。同記事の正立と倒立に関する野口裕さんのコメント、わかりやすくて楽しめました。



今井聖さんの「奇人怪人俳人」は、いつもエネルギーたっぷりです。生きざまへの筆致や選ばれる俳句を読むと、その俳人への愛情を感じます。

今号では看護師であり俳人でもある佐々木ゆき子さんについて取り上げられています。60歳から15年間医療ボランティアをした横浜の寿町での俳句を読むと、腹を据えて、そこに住む人たちと浸透しながら生きている姿が目に浮かびます。医療の対象には患者という言葉がすぐに出てきますが、彼女らは患者をみてきたのではなく、病気や訴えに関わらず、目の前にある事実をみてきたのではないかと思います。生活のレベルで何でも見てきた看護師は、そんじょそこらのことではたじろぎません。ダイナミックな30句が連なっています。



今回は豆の木宛にラブレターをいただきました。藤幹子さんからです。

ながい長い前置きに、とても気持ちが籠っていました。たぶんこしのさんは相当照れているんじゃないかと思います。

藤幹子さんの文章や言葉遣いは、熟成しています。ここちよいし、丁寧に目配りしてくださいました。ありがとうございます。ふじみきさんの豆の木誌の解体によって、なんだかお化粧していいお洋服を着させてもらった気分です。今度、ぜひ句会をご一緒したいです!たぶん、みんなワクワクしているに違いありません。



そしてふわりとかまちよしろうさん。 たまにスーツなんて着て、雨にあたってしまったようにも見えて、くすり。 お元気そうで何よりです。


毎週の後記をよむとふっと気持ちがやわらぎます。なんだか、深夜にラジオを聴いているような気分です。つぎの日曜日までの時間が、またつづいています。



あっ、忘れてました。6月11日の現俳協青年部のシンポシオンの告知を載せてもらってます。迷っている方、豪華ゲストの話を間近できけるチャンスです。週刊俳句さま、広告を載せていただき、いつもありがとうございます。