
相子智恵
邯鄲の声を懐紙に包みたし 新井秋沙
句集『巣箱』(本阿弥書店 2018.7)所収
懐紙は、今では茶道の際に菓子の下に敷いたり、心付けを包んだりする場面で目にすることが多いので、掲句を読んでまず思い浮かんだのも茶道の和菓子だった。確かに、もしも邯鄲の声が形になったとしたら、懐紙に包んで持ち帰りたくなるような美しい和菓子のようだ、と思う。
声そのものを句に詠むというのは難しいと思うが、〈懐紙に包みたし〉には詩的な驚きと納得感があった。すっと心が澄んでくるような一句である。
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