樋口由紀子
くれぐれもお体紫陽花くださいね
榊陽子 (さかき・ようこ)
「くれぐれもお体ご自愛ください」のパロディだろう。「紫陽花」がヘンだ。「ごじあい」と「あじさい」と似ているから、冗談のふりをして、単にひっかけたのか。紫陽花の七変化とか、移ろいやすさのイメージとか、ことさら意味を詮索して、無理に読み解く必要はないと思う。意味のコードで読まない川柳だろう。
かといって、言葉を異化したのでもない。うっかりして、言い間違えたかのように見せかけて、ちょっと油断するとどこに行ってしまうかわからない、そんな言葉の自在さ快活さを楽しんでいる。言葉の軽さや嘘っぽさをあらわにし、言葉を穿っている。「うみの会」
0 件のコメント:
コメントを投稿