【みみず・ぶっくす02】見物小屋の目覚めから 小津夜景
小津夜景
【みみず・ぶっくす 02】見物小屋の目覚めから
見えぬ手が見ゆる手を愛す秋の山羊
ひんやりと生クリームの立ちにけり
うたかたと桃の古風なかくれんぼ
自閉症ぎみのきのこを抱きよせる
在りし日のブローティガンを芒かな
秋は帆も指したり名指しえぬものを
さるびやの火のあばらやはほねとなる
とびてゆかましよとびらよありがたう
棹さしてくらんくらんと月の酔ふ
かほのない水底なりし電話かな
不定期・正午更新●『週刊俳句』の裏モノ●another side of HAIKU WEEKLY
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