【みみず・ぶっくす03】蔦の手帖 小津夜景
小津夜景
【みみず・ぶっくす 03】蔦の手帖
石ころと暮らして蔦の手帖かな
なんとなう忘れがたみぞ額に露
黄落の蕩いでこゑのあかるみぬ
戸は萩にわれは仮寝に酔うてをり
夜の桃と見れば乙女のされかうべ
指を折り数へよ噓に棲む鳥を
火を恋はばひらく薬香わがものに
ゆく秋の虹を義足に呉れないか
その日より霧のグラスとなりにけり
いさよひの紙にながるるのは雲か
不定期・正午更新●『週刊俳句』の裏モノ●another side of HAIKU WEEKLY
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