
相子智恵
桜鯛夕陽大きく沈みけり 岩田暁子
句集『陽のかけら』(朔出版 2017.9)所収
産卵期の桜色に染まった鯛の身の光の上に、桜の頃の潤いに満ちた大きな夕陽が、波にきらめきながら沈んでいく。二つの似た色の光が海の中と上で響き合い、滲みあっていく。
〈桜鯛〉も〈夕陽大きく沈みけり〉も、分解すればどちらも何ということはないようなきっぱりとした描き方だけれど、取り合わせによって何とも不思議な、詩的な味わいが生まれている。どこかなまめかしいような気分のある、美しい光が印象的な一句だ。
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