樋口由紀子
えんとつそうじーえんとつそうじー
おだかさなぎ
湊圭伍(みなと・けいご)1973~
えんとつそうじは絵本によく出てくる。えんとつはきれいになったが、えんとつそうじをした人は煤だらけで真っ黒、最後に手で鼻をぬぐって、鼻が黒くなるというのが定番であった。煙突掃除をしている人を描写しているのだろうか。あるいはサンタクロースを迎えるために、今から煙突掃除をするのだろうか。復唱していて、なにやら楽しげである。
ただそれだけのことを一句にするのはどこかヘンである。まして、川柳のセオリーからことごとく外れすぎている。「川柳はなんでもありの五七五」と渡辺隆夫が提唱したが、五七五でもなく、十七文字でもない。しかし、ここまで来るとあきれて読むしかない。ふざけているのか、ふざけたかったのか。作品を作るという気負いを感じさせない。『川柳EXPO 2025―川―』(2025年刊)所収。
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