2018年7月1日日曜日

〔週末俳句〕200円の悪魔 おおさわほてる

〔週末俳句〕
200円の悪魔

おおさわほてる


京都の梅雨も終盤に差し掛かったある日、ホテイアオイが売られていた。200円ならまぁいいかな、とメダカの鉢に放り込んだら、あっという間に水面を覆ってしまった。


いつの間にか花が咲いている。綺麗な薄紫。花弁は六枚。そのうちの一枚は大きく上に向いている。真ん中に黄色の斑紋があり、なんだかエロティック。「へー!こんな綺麗な花が咲くんや!」と嬉しくなった。



翌朝、なんと、花が水中に突っ込んでいる!


調べてみると、ホテイアオイの花は、茎を曲げ水中へ。そのまま水の中で実を結び、炸裂して種をばら撒くらしい。繁殖力が強く、「青い悪魔」と呼ばれているとか!

首を曲げた花が、水の中でにんまり笑っている気がして、思わず覗き込んでしまった。

200円のくせに、恐ろしい生き物だったのだ。

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