
西原天気
冬の空どんみりと坂垂らしけり 斉田仁
《どんみり》は「色合いが濁っているさま。空の曇っているさま」。語感にほぼ一致する意味合い。芭蕉に《どんみりと樗(あふち)や雨の花曇》がある。
空と坂を詠むにおいて、その垂直の関係のなか、この句は、空から坂へ、上から下への視線の移動。
動詞「垂らす」は、冬空と坂道、双方の重ったるさを伝え、《坂》が《冬の空》の一部、あるいは延長であるかのよう。となると、色も同じグレー系。句全体がモノトーンに。
掲句は句集『異熟』(2013年2月/西田書店)所収。
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