2026年7月16日木曜日

●金曜日の川柳〔石山ふね〕暮田真名



暮田真名





求愛のかたちが流れ星だもん  石山ふね

「かたち」は現代川柳頻出語彙の一つである。「朝のかたちを考えている把手」(佐藤とも子)や久保田紺『大阪のかたち』における「かたち」が〈形状〉を指しているとすれば、掲句の「かたち」は〈形式〉を指している。

「求愛」は、「パートナーを求める行為」という意味では同じでも、「告白」とはニュアンスが大きく異なる。より身体的、より動物的な、繁殖行動の一部だ。孔雀が羽を大きく広げ、ダンスを踊るように、星にとっては流れてみせることが求愛行動なのだという。流星群は星の繁殖期か。かといって、子孫を増やすわけでもない。光って消えるだけ。あとに何も残らない、振る舞いだけの求愛がある。

しかしながら、この「かたち」は、やはり〈形状〉とも関係が深いのだ。「愛」は♡、「星」は☆という図形でも表せることによって。一句のなかで♡が☆へと変化する。とてもかわいい。

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