2012年12月5日水曜日

●火事・続

火事・続


美しきサイコロほどの火事ひとつ  佐々馬骨

女待つ見知らぬ町に火事を見て  上田五千石

山火事の音の上ゆく風船あり  田川飛旅子

巻き尺を巻きもどしゐる昼の火事  柿本多映

火事跡の間取りくきやかにて雨よ  櫂未知子

馬の瞳の中の遠火事を消しに行く  西川徹郎

松の辺に火事の火の粉の来ては消ゆ  岸本尚毅

初霜や火事跡といふ黒きもの  鷹羽狩行

椿散るああなまぬるき昼の火事  富澤赤黄男




2012年12月4日火曜日

●おとうと

おとうと

摩天楼 日に総玻璃の、おとうとよ  高山れおな〔*〕

浜木綿へ兄は流れて弟も  中村苑子

おとうとを野原の郵便局へ届ける  西川徹郎

弟はまだ優曇華の映画館  高野ムツオ

ランボーは遠いおとうと目刺で酒  原子公平

弟へ真白き花の打球かな  攝津幸彦


〔*〕高山れおな句集『俳諧曾我』「1 俳諧曾我」より

2012年12月3日月曜日

●月曜日の一句〔有馬朗人〕 相子智恵



相子智恵







匙回し彼の世を透かす葛湯かな  有馬朗人

句集『流轉』(2012.11 角川書店)より。

匙でかき混ぜて葛湯を作っている。かき混ぜるほどに透明に近づいてゆく葛湯。ただ、どこまでいっても透明にはなりきらない、そのうすぼんやりとした半透明の葛湯の光の奥に〈彼の世を透か〉して見ているというのは、たいそう美しく、幽玄である。

久保田万太郎の〈湯豆腐やいのちのはてのうすあかり〉にも似て、〈葛湯〉というありふれた食べ物の奥に、茫漠とした世界が広がっている。日常の一風景が、一気に日常から離れた詩に転じていくのは、俳句の面白さのひとつだ。

〈彼の世〉の読み方は二通りあるが、ここでは前田普羅の〈奥白根彼の世の雪をかゞやかす〉と同じく「かのよ」と読むほうが音韻がいいので、私はそう読みたいと思う。

2012年12月2日日曜日

〔今週号の表紙〕第293号 夜 西原天気

今週号の表紙〕第293号 夜

西原天気




カラーで撮った写真をわざわざモノクロにしてみました。それでどうという話ではなく。

撮影場所は北海道のどこか。撮影日時は2010年11月4日21時13分。


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2012年12月1日土曜日

●Cold Cold Winter

Cold Cold Winter