秒針
秒針の強さよ凍る沼の岸 西東三鬼
秒針に冬の重さが少しずつ 秋尾敏
秒針のきざみて倦まず文化の日 久保田万太郎
秒針の速度牡丹雪の速度 五十嵐秀彦〔*〕
〔*〕五十嵐秀彦句集『無量』(2013年8月/書肆アルス)
2013年9月10日火曜日
2013年9月9日月曜日
●月曜日の一句〔柿本多映〕相子智恵
相子智恵
寂しさも塩気なりけり天の川 柿本多映
句集『仮生』(2013.9 現代俳句協会)より。
〈塩気〉とは、たとえば料理では、それがなくては味が締まらない、重要な味付けである。そう考えると〈寂しさ〉も、人生にとっては〈塩気〉のように、それがないと味が締まらないものかもなのかもしれないな、と思った。
だとすれば「塩加減」も大事で、薄味すぎては味気ないし、塩気が効きすぎて辛すぎるのも、どちらも人生を美味しくしないだろう。
そこに取り合わせの〈天の川〉が不思議な味わいを醸し出している。〈天の川〉は、その星々の輝きから気分を明るくする方向に働いているような気もするし、逆にしみじみと深い寂しさを効かせているような気もする。取り合わせる季語によっては「人生訓」のような臭みも出てしまいそうな上五・中七のフレーズを、〈天の川〉という人知の及ばない大きな季語が救っているのだ。
〈塩気〉からは「涙」も連想させるが、抽象度を上げていくことで、さまざまな想像が膨らむ句となっている。
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2013年9月8日日曜日
2013年9月7日土曜日
2013年9月6日金曜日
●金曜日の川柳〔木村和信〕樋口由紀子

樋口由紀子
白黒の力道山は強かった
木村和信 (きむら・かずのぶ) 1941~
「力道山」、懐かしい名前である。「きゃりーぱみゅぱみゅ」と雲泥の違いである。彼を知っている人は何歳ぐらいまでだろうか。本当に強かった。空手チョップで外人レスラーを叩きのめす。それもいままでの数々の反則や理不尽な行為にがまんにがまんを重ねてきたあとに、やっつけてくれる。今思えば、「水戸黄門」と同じで単純な演出であった。
「白黒」とは白黒の付けやすかった試合のことだろうか。善悪のはっきりしていて、確かにわかりやすい試合だった。力道山は黒いタイツを穿いていた。それとも白黒テレビのことだろうか。テレビ放送は1953年2月1日にに始まった。もちろん、白黒である。
力道山の試合を観たいがために、当時かなり高額だったテレビが売れた。我が家もそうだった。祖父がどうしても観たいと無理をして買った。家族みんなでテレビの前に陣取り、力道山が期待を裏切らずに空手チョップで悪人を退治してくれたあとは家族全員の気分がすっきりして、笑顔になった。放映される日はいつもより仲の良い家族だった。「番傘」(2013年3月号)収録。
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