樋口由紀子
酔っぱらい誰の靴でも合わせます
緒方美津子
緊急事態宣言が出された。新型コロナウイルスの感染拡大で憂鬱な日々が続いている。いつまで続くのか。春なのに、桜が咲いているのに、気分は縮こまり、モチベーションが上がらない。
そんなときにふと目にした一句に心がなごんだ。飲み会の後で靴がないというよくある一騒動を思い出す。そのほとんどはサイズも色も違い、間違えるはずのない靴が残っている。残った靴はどう見てもその人にしては大きすぎるか小さすぎる。ということは、間違って履いて帰った人は窮屈だとか、ぶかぶかだったり、ヘンだと思わなかったのか。酔いもまわれば、気分の大きくなり、どんな靴でも足はOKを出してくれる。酔っぱらいの底なしのいいかげんさを見事に言い当てている。
早く、普通の暮らしに戻りたい。句会も飲み会もして、「どうやって、履いて帰ったんやろ」と大声で笑い合いたい。
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