窓
江戸住や二階の窓の初幟 一茶
夕顔や酔てかほ出す窓の穴 芭蕉
窓の燈の草にうつるや虫の声 正岡子規
雪隠の窓から見るや秋の山 夏目漱石
玻璃窓に来て大きさや春の雪 高浜虚子
窓にすぐひろがる港金魚玉 木下夕爾
日のあたる窓の障子や福寿草 永井荷風
窓々の灯のおちつきのすでに冬 久保田万太郎
しやぼん玉窓なき厦の壁のぼる 橋本多佳子
王(ワン)氏の窓旗日の街がどんよりと 西東三鬼
ジプシーに占はせをり窓の春 高野素十
窓あけて虻を追ひ出す野のうねり 富澤赤黄男
窓も句集も四角なりけり暑気中り 池田澄子
火事跡に焼けのこりたる窓のあり 藺草慶子
万緑も窓も無傷と思ふなり 櫂未知子
花町の窓なり魚の飛ぶひかり 宇多喜代子
初夏に開く郵便切手ほどの窓 有馬朗人
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