2010年11月8日月曜日

●熊本電停めぐり08 新町 中山宙虫

熊本電停めぐり 第8回 洗馬橋(せんばばし)

中山宙虫

3号線上熊本駅前~健軍町の8番目の電停。
上熊本から所要時間10分。

10月27日(水)
16時。
所用で仕事を休む。
その帰りにやってきた。
専用軌道を抜けて出てくる電停がここ「洗馬橋」。










ここは、あの童謡「あんたがたどこさ」の舞台とされているところ。
正式には「肥後手毬唄」というそうで、全国的に知られているまりつき唄。
そんなわけで周辺には狸の像があちこち。







郵便局のポスト。










画材店にも。










もちろん電停にも。
この狸の像「ふれあい親子狸」には御利益がありそうな看板も。


そして、電停の名になっている橋にも。










しかし、よく見てみるとこの橋の反対側には、へんてこな海老が乗っている。
「あんたがたどこさ」に海老が出てくるらしい。
記憶をたぐってみると、そのような気がする。
船場橋の案内板のうえのへんてこな格好をしているのが海老。












歌詞をたぐってみると。
♪あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 船場さ 船場山には狸がおってさ それを猟師が鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ それを木の葉でちょいと隠せ♪
狸が出てくる。
これにあわせて女の子たちはまりをついた。
「ちょいと隠せ」でまりを背面キャッチしていた記憶がある。
スカートの時代はスカートのなかに隠してフィニッシュもあったような話だ。
さて、えびはどうなのか?
もうひとつの歌詞。
♪あんたがたどこさ どこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 船場さ 船場川にはえびさがおってさ それを漁師が網さでとってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ♪
えびが出てくる。
こういう歌詞があったのだ。
ところで、この唄は埼玉県川越が発祥とする説がある。
考えてみれば、熊本にいて、「あんたがたどこさ?」と問われ、「肥後・熊本」と答えるのも変な話。
旅先で、問われ答えた話とすればわからなくもない。
真相は狸と一緒に藪のなかでいいか。
それに橋の名は「船場橋」と明記されている。
昔、このあたりが船着き場だったようで、この名がついたという。
電停の名は「洗馬橋」。
船着き場で荷を運ぶ馬を洗ったからなのだろうか?
もうひとつ、船場橋が渡る川は「坪井川」。
船場川はない。
ましてや、山があるような場所ではない。
船場山はどこだったのだろうか?
案内板には藪だったという記述があるが、今はもうすっかり市街化してしまって、狸の住める場所はない。
電車はこの「船場橋」を渡って、熊本市の中心部へ。
ここまでは、古い街並みが続いていたが、随分にぎやかになっていく。
電車がきた。
右側の電車が「建軍町」行き。


橋を渡るとき気づいたことがある。
熊本城が見える。
ほんの一瞬だが。
この路線でここがまず最初に熊本城の天守閣を見ることができる場所だったのだ。
坪井川に沿った熊本城の石垣。
手前は、今は県立高校が建っている。
この石垣にひょっとして狸は棲んでいるのかもしれない。
そう思う。


次回の電停は「西辛島町」。

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