おんつぼ37
うめ吉(UMEKICHI)
さいばら天気
おんつ ぼ=音楽のツボ
芸者さんボーカル+三味線+ビッグバンド。そう聞いて、キワモノ、ゲテモノと思う人がきっと多いでしょう。しかし、キワモノ、ゲテモノも、腰が入ったスウィングなら、球は遠くへ飛ぶ。UMEKICHI「蔵出し名曲集~リローデッド」(2004年)は、アレンジやバックの演奏も含め、なかなかのアルバムです。
収録曲は、服部良一によるブギ(昭和20年代)をはじめ多彩。そのなかから「家へおいでよ Come On A My House」。
うめ吉のボーカル、魅力的です。清水哲男さんは「高田みづえに似ているのでは?」とおっしゃっています。これは鋭いかもしれませんが、もっとばっちり「これとそっくり!」という先例がありそうな気もします(ああ、思い出せない、思いつかない)。
いずれにしても声や発声法に独特のコケトリーがある。発声法という点では、うめ吉の先達ともいうべき市丸をまっさきに思い出します。それも聞いてみましょう。
テレビの映像ですが、レコードとほぼ同じか、まるっきり同じ(いわゆるクチパク)。いやあ、三味線のリフとビッグバンドの音は、ほんと、よく合いますねえ。
60年前で、このファンキーさ加減。あらためて服部良一の凄さに唸らざるを得ません。日本のポップ・ミュージックの歴史のなかで、ベストワンの作曲家を挙げるなら、迷うことなく、服部良一です。こうした遺産は、きちんと継承していくべきもの。うめ吉による一連のカヴァーは、たいへん意義深いものですね。
忘年会シーズンもたけなわ。うめ吉のCDを鳴らして、みなさんで盛り上がってみてはいかがでしょうか。
キュート度 ★★★★
ハイブリッ度 ★★★★☆
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