第42回
絶筆
西原天気
春を病み松の根つ子も見あきたり 三鬼(1962年)
3月7日作の絶筆。前年夏から胃の調子が悪く、10月、胃癌の診断を受け手術。およそ半年後の4月1日、朝より昏睡状態に陥り、午後永眠、その夜に通夜が執り行われた。
幹でも枝でもなく〈根〉というあたり、虚無とも、作者の臍曲り具合とも受け取れる。
手術後も、不調のなか句会、選句、原稿執筆など仕事を続け、年譜(鈴木六林男編・『俳句』1980年4月臨時増刊「西東三鬼読本」所収)には、逝去の1か月前の3月2日に「角川書店塚崎編集長、第四句集『変身』十部持参」とある。
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