西原天気
※相子智恵さんオヤスミにつき代打。
※相子智恵さんオヤスミにつき代打。
骨組もなく春の闇聳えたり 生駒大祐
闇に骨組などないし、それよりもまず聳えるものでもないから、骨組など要らない。
春の闇を描くにおいて、この句に説得力はあまりない。というか、そもそも描写するという意図があるのかも不明。描写のための叙述が無化するなら、そこに残るのは、春の闇だけということになる。
けれども、この人(作者、あるいはこの句のその場にいる人)には、たしかに聳えていたのだろう。そう感じた、その気分は、かすかに伝わる。
そんなことよりも、あれだ。臆面もなく(と言っていいのか)、こう言ってのける、その口吻・語り口、詠みっぷりをこそ愉しむべきなのだと思う。
掲句は生駒大祐『水界園丁』(2019年6月)より。
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