樋口由紀子
手を広げピーターパンについて行く
弘津秋の子 (ひろつ・あきのこ) 1948~
ファンタジー性のある川柳だが、なんだか身近に感じる。今居るここからどこか遠くへ行きたいとは誰もが一度は思う。「ピーターパンについて行く」がとてもいい。どこかに行きたいと思っても、さてどこに行けばいいのか見当がつかない。「ピーターパン」なら間違いなく希望の場所に連れて行ってくれるそうである。
日常生活で手を広げることがあまりない。広げても角度はせいぜい30度止まり。この角度は心の角度かもしれない。意識しなければ手も心も広がらない。そうすることによって、そう思うことによって、自分を変えていく。作者の生活感や価値観、日常そのものにクリエイティブを参加させている。
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