樋口由紀子
両足がつった場合のセロテープ
竹井紫乙(たけい・しおと)
同じテープだけれど「テーピングテープ」では?とまず思ってしまった。川柳は事実を書くものだけではないから、もちろんかまわないけれど、軽く心地よく裏切られる。「セロテープ」を入れることのよって、「テーピングテープ」が飛んでいく。「テーピングテープ」が抜けることによって、「セロテープ」が浮き上がってくる。
「セロテープ」のどことない寄る辺なさが意外なほどの存在感を発揮する。なぜ、「両足がつった場合」なのかは謎だが、言葉の綾を活用して、言葉を動かすおもしろさがある。文脈の中で生じる意味を楽しみたい。
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