樋口由紀子
三億円事件みたいに咲く桜
まつりぺきん
まだかまだかと待っていた桜がやっと咲いた。桜は待っていればいずれは咲く。つぼみが膨らみはじめたり、ピンクになったりと、徐々に咲く準備に向かっていることはわかっていた。
しかし、「三億円事件」は違う。1968年に約三億円の現金が白バイ警官に扮した男に奪われた窃盗事件である。突然で、度肝を抜かれたことを思い出す。では、どこが「みたい」なのだろうか。咲くことは予想していても、満開の桜は美しく、この世のものとはおもえない。つまりはとてつもなく心が騒ぐからなのだろうか。はじめて浮かび上がった関係性である。「三億円」というモノではなく、「三億円事件」というコトを使ったのがいかにも川柳っぽい。
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