外階段

外階段は内と外の中間。境界的な存在です。
想像をかき立てられもします。どういう人がどんなときに、ここを使うのか。ドラマでは犯人と刑事が走り、あるいは間男が服を手に抱えて逃げる安物の喜劇。しかし、現実には、ここにいる人間を見ることは少ないようにも思います。
外階段を偏愛する嗜好「外階段萌え」というのは、もっぱら高層ビルの外階段に興味が向かうようです。この階段は、その点、ちょっと情けない物件。しかし、そのぶんマニア度が高いのかもしれません。
撮影場所は、埼玉県川越市。
(西原天気)
●
不定期・正午更新●『週刊俳句』の裏モノ●another side of HAIKU WEEKLY
しかしながら、パクリとは引用である。そして音楽に引用は付き物である。よい音楽は、よい引用に満ちている。引用の貧しい音楽は、音楽として貧しい。併せて、当時のポップ音楽ファン(とりわけ洋楽ファン)は、「あ、あの曲のあれだ」と引用元を特定する愉しみを、筒美作品を通して味わっていたことを書いたのですが、この愉しみは、しかし、筒美作品のような露骨な引用に限りません。(良質な)ポップミュージックは99パーセントの(よろしき)伝統と1パーセントの新鮮味で成り立っている。聞くことは、引用を聞いているとも言えるものです。