2013年11月8日金曜日

●金曜日の川柳〔麻生葭乃〕樋口由紀子



樋口由紀子






飲んでほし やめても欲しい酒をつぎ

麻生葭乃 (あそう・よしの) 1893~1981

お酒の美味しい季節である。秋の夜長、ついつい飲みすぎてしまう。夫が機嫌よくお酒を飲んでいる。しあわせそうな顔をしている。このままずっとその気分のままで飲ませてあげたい。しかし、深酒は身体によくない。明日にも差し障る。あと一杯だけと思いながら、つい酌いでしまう。

麻生葭乃は「川柳雑誌」(後の「川柳塔」)を創刊した麻生路郎夫人。路郎の川柳活動を支え、四男五女を育てた賢婦人である。彼女自身も明治末年から川柳を書き、「川雑婦人の会」などで女性作家を指導、尽力した。

葭乃自身もお酒を嗜んだらしい。だから、いっそう酒のうまさもこわさもわかっていたのだろう。〈福壽草松にしたがいそろかしこ〉〈悪人へ陽は燦々と惜しみなく〉『福壽草』(1955年 川柳雑誌社刊)



2 件のコメント:

香澄明花 さんのコメント...

呑んでよし肴もよろし口弾む

y4lan さんのコメント...

鬱ぢゃない泡盛の手術中に年収アップ