樋口由紀子
膀胱がウッフンという春の宵
野沢省悟 (のざわ・しょうご) 1953~
孫娘のお供で東京に行ったときに、一番困ったのはトイレだった。新大久保も原宿も駅構内のトイレは長い列。トイレ使用のお客様は入場券をお買い求めくださいとわざわざ構内放送が流れるほどである。竹下通りのダイソーもコンビニもトイレは使用不可だった。「ウッフン」なんて呑気なことはいっておられない。膀胱は「ウッフン」なんていうわけがないとツッコミを入れたくなる。
よくもまあ「膀胱」「ウッフン」「春の宵」と組み合わせたものだと感心する。あまりにばかばかしくて、調子良すぎる。「だから川柳は」と言われるのか、「そこが川柳だ」と思われるのか。しかし、この三つは似てないようだが似ているから、MIXされると猥雑さと妖しさがMAXになる。なんともへんな味の川柳ができあがった。
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