10句競作(第1回)応募作品
本日6月28日(火)21:00より、審査選考ライブの第2回。
6月23日(木)で終わらなかったぶんを引き続き。
感想etcはご自由に(≫コメントの書き込み方)
23日の審査選考ライブを待たずとも結構です。
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6月23日(木)22:00より当エントリーのコメント欄にて。
五十嵐秀彦、関悦史、神野紗希3氏による審査選考ライブ。
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【01 垂乳根】
飲み干して思ふことなし夏の水
肉は肉骨は骨なる更衣
あるときは妻の昼寝を見てゐたる
どこからかピアノどこからか夏蝶
風鈴や人はかの世にあこがれて
蝉時雨浴びる言葉を浴びるごと
動きやすき人の林や夏の雨
拭ふものなき唇に西日さす
たらちねの母のよろめく冷酒かな
噴水が人の代はりに立つてゐる
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【02 おかあさん】
青梅青梅青梅青梅だ
海亀の跡なんめりと砂平ら
年々に褌の減る海開き
我が影を袈裟懸けにして蟻赤し
あら嫌なおかみさんだね梅雨入だね
少しばかり押されてくぐる茅の輪かな
ナイターや遂に代打のあの男
さてこれは毛虫入れろといふことか
黒く黒く海はありけり修司の忌
明易きかなにつぽんのおかあさん
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【03 てろりる】
缶コーラプシュり鳩尾解放す
白無垢の棺有桝女郎蜘蛛
金輪際練乳苺唯物観
夏蝶に狙われている狙撃兵
金魚玉かつて火の玉たりしこと
鎌首を擡ぐ少年蛇使い
心臓のザフザフと噛む夏あざみ
夏痩身桃色豚形貯金箱
脳幹注入トニックシャンプー髪洗ふ
海胆の棘てろりる物体Xる
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【04 ラプソディ】
フクシマやアウフヘーベンと泣くアトム
吉良常も飛車角も非在鳥帰る
松島や草間彌生の鯨跳梁
山羊汁に古酒(クース)ほらほらほらイサク
マティニー二杯奥さん鯨は帰ります
来い来いメッキーメッサ向日葵くわえ
海の青空の青飛魚韜晦す
飯蛸の飯食めば緑なす鐘の音
山羊祀る夕陽はよう鎮まりなされ
ミモザ咲きましたかと耳なし芳一
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【05 おのまとぺ】
ツイッツイッチィー。夜明けの唄は。ツイッツイッチィー。
とこぱったむ。とこぱったむ。とことつん雨。
天突く突く天突く突く天天突く傘傘傘
いやあんやんまあええやん猫発情す
うっゲホゲホくっゴホゴホ仮病ですゴフッ
るららるらてぃららてぃらてぃら新品のすかあと
たんまりとすたすたすったかすりりんご
ちちちちちちちちちちちちちちち膣
郵便受けがすたんきゅうぶりっくと軋んだ
玉砂利砂砂利玉砂利砂砂利。煙管ココン。
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【06 百八】
パソコンのうちにかたへに扇風機
五月雨や鍾馗の髭も枝毛にて
家路なり多分梅酒の待つてゐる
満遍無く莢焦がされぬ蚕豆
新じやがの皮貼り付くや塩の粒
短夜や疲れの色は黄金とな
強力や百八本の缶ジュース
置物の狸空見る薄暑かな
妻も子もゐずや中州へ川遊び
腰骨の日灼け具合を較べをり
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【07 青嵐】
おぼろからついに朧がはみ出しぬ
きもちよささうに曲りて春の川
洗濯機回転すれば緑立つ
青田青田に風神も雷神も
新聞紙突如蝿叩きになりぬ
夏すでに錆び街角がひりひりす
影に入りても鉄骨の暑さかな
白日傘バリアのごとくひらきけり
消えさうな片陰ばかりつづきけり
青嵐ここに神社があつたはず
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【08 梅雨の蝶】
天井の龍の墨絵のさみだるる
夏みかん畑仕事はひとやすみ
中空へ蔓はゆらゆら青葡萄
蜘蛛の子のお家はすでに散り散りに
梅雨の蝶まだらにゆるる斑の目
あめんぼの大きく映る池の底
畦道のなかを歩いて蛇苺
ぐつしよりの新聞を剥ぐキャベツかな
夕立の隅にころがる松ぼくり
梅雨の夜のごきぶりの家たててをり
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【09 雌でせう】
はんざきの姦といふ字の頭かな
終日若葉終日駐車場係
あぢさゐを雲と同定せし淑女
子午線をはみ出すカギの救急車
梅雨空やクレーン車なら雌でせう
カムチャツカ沖へパピコは行つたのだ
ほんたうの父やソーダ水が下品
チューペットに鋏の味のして帰省
撫子咲くなりすでに裂かれてゐる
れもん汁にてみがかれし赤恵比寿
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【10 この夏】
作品に蛍光りて故郷想う
不器用は食わず嫌いか夏魚
君想う節電の夜に蛍飛ぶ
雨雲を琵琶湖で絞り送りたき
夕星(ゆふつつ)願う此岸彼岸の橋渡し
津津に波此岸彼岸を繋ぐ筒(つつ:星)
網の上津筒星(つ、つつ、ツツ)の謎泳ぐ
焼酎の瓶に生けたり水中花
和蘭陀と豪雨を憂う日曜日
ジャポニカの緑のいのち壱萬年
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【11 南吹く】
つま先に触るる卯の花腐しかな
青柿のふへてゆく夜の月青し
袖口の裏がへりたり洗ひ髪
板敷きの同じところを踏む跣足
青嵐見れば川面を渡りけり
赤鱏の静かに沈む地下通路
花槐気泡含みし窓ガラス
柴垣の反対側の桑いちご
瑠璃色の指先土用蜆かな
半袖のかひな白かり南吹く
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【12 フクシマ】
誰がために原発あるや春の惨
福島はフクシマとなり春の空
阿武隈の山越へきたり蟻の列
避難所を変はり変はりて聖五月
蜃気楼三十キロ先の原子炉
原発の風重たきや夏の昼
炎天や作業員の影被爆せり
夏椿逃げて捨てたる故郷の地
卯月野のふる里に黒牛の群れ
父の手に抱かるる夢や夏の海
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【13 微熱】
青梅を煮たるその夜の微熱かな
斑猫を見失ふ六道の辻
鶏の木に上りたる薄暑かな
古書市の紙魚多きもの漁りけり
衣更へて薬の花の咲く樹下に
桃色の干菓子を舌に梅雨の底
波音を吸うて仙人掌咲きにけり
草笛を吹くや潮気の濃き風に
海藻の貼り付いてゐる簾かな
夜涼みや消毒したる舟の上に
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【14 ゐなくなる】
いっせいに少女隠るる茂みかな
一輪車置く薫風の通り道
新緑のなかにもう揺れない木馬
思ひ出の中ではいつも夏帽子
噴水が卵の中にあったころ
玉葱が空をうづめて聖五月
あめんぼは水が嫌ひで空が好き
蚯蚓さかんに跳びはねてをり怖し
またがってひみつのびはを食べようよ
雨音が巻き取ってゆく昼寝かな
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【15 しるし】
またたけば海になりけり夏の川
音をきく背中に鮎の釣られをり
かはせみの彼方より水近づきぬ
あのへんにひとかたまりにゐる河鹿
滝までの道にしるしのやうなもの
渓谷や空のちひさく過ぎるころ
ひとつ忘れて山滴る森滴る
切り株をむかしの夏の蝶が去る
山あひ見えてかはほりはまだゐない
白よりも白き滝なり軽からず
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【16 虫笑・蝶笑】
尺蠖の空を探って立ちん坊
掃除するだけに生まれた蟻ってわけか
でで虫に人身事故のアナウンス
赤とんぼ赤くなれずに山にいる
十五音譜くらい欲しい蝶だね
蚯蚓だって死ぬときゃ天を仰ぐさ
とんぼうが石に抱きつき齧ってる
息かけて薮蚊を空に返そうか
手の平で重さ失う天道虫
癌に効く話は聞かぬ蚯蚓だな
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【17 竹婦人VS. 】
竹林の賢人娶る竹婦人
綾波レイ発進青葉風過ぎた
一線をどこまでとする竹婦人
六月の宝石箱の目玉親爺
かぐや姫産みしはむかし竹婦人
海霧やゴジラ生まるる放射能
しなやかやないすぼでえや竹婦人
お花畑初潮を知らぬちびまる子
棹竹に思ひを寄せる竹婦人
日射病のだめのだめな恋のごと
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【18 マーベロン28】
死ねばいいのにひとやまの蕗の薹
鳥交るつけまつげ用接着剤
春闌液もれしてる万華鏡
風光る幼い姉の枝毛なども
初夏の四角い匙を舐めさせる
なんておおきな苺を摘む昼の恋
梅雨寒やたんすの上に薬箱
令嬢めく小指に蟻を這わせれば
ふとももの涼しきひとや格闘技
花火だいすきにんしんはのぞまない
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【19 ひよいとチヂミを】
波音に驚く赤子合歓の花
蟻の列見えぬ軍旗を翻し
模型屋の風鈴に舌なかりけり
予鈴鳴り田植えの上を谺する
黄鶲やひよいとチヂミを裏返し
菖蒲湯の寝返りを打つ菖蒲かな
全身で梅干の緋を味はへり
毛先から砂となりゆく水中り
羽抜鶏ときどき天を突くなり
鮎釣りのまだ暇さうな左の手
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【20 化石の旅】
春行くや巫女は理学部数学科
春の暮見飽きても見るサザエさん
コンテナを五月の空へぶら下げる
新緑や女ばかりの形見分け
六月の母を背負うて二階にあがる
沖縄の空の青さを豚喰い尽くす
水底で木の葉化石の旅につく
冬の夜の絵本で熊が殺される
山眠る河童は公民館の裏
冬銀河階段下の悪だくみ
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【21 魚眼望遠鏡】
キドナップきゅうにはじまるむぎばたけ
あすてかは浮きがいっぱいみなみかぜ
まぶしくてみやこの鮎はのこすもの
あこがれのあねにひるよる四日間
めきしこはしちみまみれの父である
きんぎょばちきんぎょのゆがみひめくりで
まぼろしの鱏のうらがわ頭脳線
しゅもくざめ天才のメスぬすまれる
象たおれ少年少女合唱団
むしたちのせいきあつまる虫星雲
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【22 黄身】
福わかし湯玉の音はFかG
老犬の漆黒の鼻鳥総松
破魔弓をアクアリウムに立て置きぬ
くされ潮人形浮かべたゆたゆと
初午や疎水に沿ひて稲荷駅
麦笛を憶えてをりぬ両の耳
亡きひとの愛書の上のサングラス
壁と床ひといろの居やそぞろ寒
水槽に動かず万価のずわいがに
寒波来白飯のうへ黄身が顕つ
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【23 またあした】
日盛りやツルハシ置きて雪隠へ
雨しとど満員の船夏に入る
二階へと木がのびている昼寝かな
少年の足投げださる冷奴
自転車のかごのあやめに誰か来る
上履きの歩道の蟻をもてあます
懐に絶滅のトラ五月闇
君が息止めているうち夏の海
向日葵のくろこげのもとまたあした
緑陰を行くどこまでもどこまでも
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【24 メインイベント】
溽暑へと戸を開け放つ格闘場
兵馬俑の兵のごとくに南風受く
訳有りの過去ある如くサングラス
夏の夜へジェット風船飛ばしけり
隙間無くタトウされたる素足かな
麦酒干すメインイベント始まりぬ
立ち技の攻防となり夏の月
寝技また汗に滑るやタイトル戦
試合果つアロハに着替へ格闘家
晩涼や荒野めきたる埋立地
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【25 誰のものでもない金色】
秋の田の誰のものでもない金色
数寄屋橋アスパラガスとすれ違う
雨蛙アジサイ・テラス#三〇五
熟れた桃わたしの横顔かもしれぬ
グラスホッパー今日の予定に雨宿り
秋霖や革靴履いた大男
秋は影もグレーの長くて滑稽な
ふたりいて別の夜長に埋もれおり
灰色の空も好きだよネコヤナギ
クツクツとカレー煮ている初閻魔
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【26 さなぎ】
KARA踊る児ラッパ水仙板塀に並び
満腔(まんこう)の春泥本籍地の公園
ウロウロしてさなぎのような家(うち)に会える
放置レタス確かに三個雲の気分
眉薄くヤギの愛舎(あいしゃ)に立っている
携帯は沼ワニ母現在育児中
城のごと夕日を重ね裸足の蠅
緋色の土イタチと雨を聴くあいだ
宵ツツジ松にこけ伏す吾が犬は
切り立てんアゲハ蝶らナタデココ持ち
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【27 歯が生える】
乳を呑む夢見てをるや蛙鳴く
立葵バギーの高さより咲きぬ
ナイターの歓声に泣く赤子かな
桃のやうな歯茎に現れる歯の形
嬰児の笑まひ扇を使へとぞ
口開けて扇の風を受くる嬰(やや)
ミルク飲みながらに汗を掻いてをり
うつ伏せの嬰の後頭の玉の汗
二人目を身籠るらしき薔薇香る
八月の六日へ向けて工事中
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【28 アトムの胃】
一月やぱつかと開くアトムの胃
鉄人の鼻とんがつてやや寒し
朧夜のじやんけんグリコチョコレート
ベルサイユだけど気分はミヨソティス
桑の実を食うて火の鳥こんな口
麦藁の海賊団だ夏帽子
ドラえもんのポケットに入る西瓜かな
キャンディのそばかす結ぶ星月夜
糸瓜ぶらりぶうらり使徒が来襲す
のらくろの台詞のやうだじふにぐわつ
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【29 水】
水無月の飛沫模様の色紙かな
燦燦と日の降り注ぐ水中花
若竹や水琴窟の音かすか
万緑のひかり閉ぢこめ水晶体
精密な海賊船や水遊び
水筒の名札ひらがな姫女苑
踏切を越ゆる潮風ソーダ水
あめんぼのまた戻り来る水溜り
水色の紫陽花浮かぶゆふまぐれ
夕闇が原材料の水羊羹
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【30 薔薇色】
新緑の裏ぶううんと空調機
夏空を借りて東京モノレール
薔薇色の未来をあをき薔薇に訊く
噴水は枯れ血をもつもの地下に
のきのきとタワー虹へは届かざる
明易の二十八時のヘッドホン
紫陽花へ滑り込みたる逆走車
緩まざる螺子のざわめく梅雨入かな
ででむしの大好きな人大嫌ひ
紙袋がざつと麦の風捨てた
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【31 ビクターの犬】
マネキンの足組み替へる薄暑かな
枇杷種を吹ひて夕風起こりけり
横丁にビクターの犬ラムネ抜く
少年の声はソプラノ河鹿鳴く
解散は泰山木の花暮れて
山ガール固まってゐる濃紫陽花
五月雨や河童を祀る奥社
ペディキュアにラメ入る夏や鹿の糞
遠き日の脛の白さを蛍の夜
羅や跳ね橋あがる時を待ち
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【32 フド記】
風呂敷の中の秋風年経たり
水母の頭二つに飢えが来て去りぬ
ことごとく墓の前にて息白し
燐寸費す汝寒椿をへだて
燕子花たましいながらムラサキに
鳩冬に不確かなもの啄むや
まなこみな薄紫の神の旅
善人は遅れて来たり寒卵
季節外れベンチおのずから倒れ
地下鉄を乗り継ぐ日々も枯れゆくに
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【33 夏至南風】
朧夜のテールスープの白髪ねぎ
軍艦のごと熊蜂の迫り来ぬ
行く春や雨やり過ごす牛丼屋
嶺颪に鳥大ひなる端午の日
水貝や東京は玻璃ちりばむる
梅雨寒の実験動物室匂ふ
鳥啼いて鳥啼き返す夏座敷
三種盛りなれど五種来て夏至南風(かーちばい)
宛がひて包丁と茄子照り合へる
身の内に森あり滝に濡れ尽くし
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【34 うみねこ】
荷造りの紐の足りない昭和の日
長袖のはみ出す鞄夏隣
余花の地に入るや新幹線静か
張り初めし田水や空をよろこばす
朝凪や砂利青白き線路跡
海恋しからう烏賊釣船解体
浦風を含みし夏シャツの重さ
サルベージ船が薄暑の海つかむ
うみねこの糞たくましく降り来り
夏潮をなだめて夕日落ちにけり
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【35 みづ】
水責の水壺を泳ぐ蟾蜍
時間が壁の高いところにある白夜
ゆふだちを孔雀は「兄(けい)」と告げ渡る
高きより橢円の中に夏尿
羽抜鳥の首に繃帯くれなゐの
河口あれば河尻のある鰻かな
夏雲に端切を當てて粗く縫ふ
つめたさの朝寝の死者の白枕
父の乳首吻ふ母ありき蜜豆来
さいでつか納戸に棲まふ竹婦人
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【36 枇杷の実】
六月や靴の踵で描くベース
口癖は一事が万事茄子の花
枇杷の実に工事の足場触れてをり
サングラスとことん手話で言ひ負かす
人間としては失格さくらんぼ
梅雨の月会議の窓に現はるる
眠る間も血は巡りたるえごの花
夏富士やバケツ鳴らして牛の乳
黒板にヘロンの公式窓に蜂
夏空へ助走短く跳びにけり
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【37 いびつ】
ウヰスキー色の仏陀やひこばゆる
造られて公園となるチューリップ
松いびつ桜が咲けば人の出て
手も足もある春の雲あふぎけり
花は葉にものかんがへるときの口
よき午後や薔薇の味するヨーグルト
一匹の蜘蛛を降らせて松の木は
タクシードライバータクシーを背や遠花火
卓上に魚肉ソーセージありけり紫蘇乾く(「魚肉ソーセージ」に「ギョニソ」とルビ)
ひとにうなじあり颱風が来つつあり
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【38 明滅】
かたつむり雨を痛がる地球の子
明滅や夕立を少女は絶対
蟹追う犬空間が混み合っている
紙で創る世界海月の王も紙
鉄塔をひとするすると日雷
飛魚を食い強運をもてあます
実母義母金魚静まりかえる雨後
帆立貝とみじかい手紙敬称略
ひけらかす死のかりそめを明るい雨季
薔薇を見るあなたが薔薇でない幸せ
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以上 38作品
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2011年6月28日火曜日
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353 件のコメント:
«最後 ‹次 201 – 353 / 353【22 黄身】は、五十嵐さんの○。
野口裕さんが印象句として〈福わかし湯玉の音はFかG〉を挙げていらっしゃいます。
新年から冬にかけての10句です。
【21 魚眼望遠鏡】は一句一句はそんなに極端な飛距離は孕んでいないので、そこが読みやすさになっているのでは。
こちら、コメントが投稿できているのかいないのか、わからなくなってます。
【22 黄身】
壁と床ひといろの居やそぞろ寒
これは味気のない部屋。「と」「ひといろ」「居」、言葉が丁寧につむがれています。
寒波来白飯のうへ黄身が顕つ
「顕つ」に、黄身の張りが感じられます。どちらの句も措辞が丁寧でよく描けていると思いました。
もっとそういう句が多ければ、という印象でした。
【22 黄身】
やや予定調和気味な句が多くて、中では「水槽に動かず万価のずわいがに」で急に値段が異物的に入ってくるのと、「破魔弓をアクアリウムに立て置きぬ」の取り合わせのすっきり感がちょっと良かった。
「初午や疎水に沿ひて稲荷駅」も気分的に悪くないという感じです。
【23 またあした】も、五十嵐さんの○です。
〈日盛りやツルハシ置きて雪隠へ〉で始まるからというだけでなく、≪肉体≫、いわゆる少し古い言い方で≪ガテン系≫を感じる10句です。
関さん>
>中では「水槽に動かず万価のずわいがに」で急に値段が異物的に入ってくるのと
たしかに。その句わたしも値段が入ってくるところ面白いと思いましたが「動かず」がもたもたしているところが解消されると、よりいいかと思い、とりませんでした。そうするとリズムも整えられる。
二階へと木がのびている昼寝かな
木がすくすくと育っているさまが、心地よい昼寝であることを語ってくれています。
「水槽に動かず万価のずわいがに」
たしかに「動かず」は余計。
俳句の否定形は、注意が必要。
【23 またあした】
状況とか、作者が興じているポイントとかがわかるようなわからないような。
「二階へと木がのびている昼寝かな」も悪くないかなと思ったら、「へ~いる」なので一階で寝ているらしくて、開放感ではなくて、のびている木が頭上の重量感になったり、「日盛りやツルハシ置きて雪隠へ」は「雪隠」は使わないほうがよかったんじゃないかとか。
「少年の足投げださる冷奴」はすっきりしています。
【22 黄身】
【23 またあした】
は、五十嵐さんのコメントを待ちましょうか。
紗希さん、天気さん>
「動かず」はたしかにそうですね。
【22 黄身】
○福わかし湯玉の音はFかG
これが良かった。
全体的に少しでこぼこ。
【23 またあした】
この10句は読みごたえがった。
○二階へと木がのびている昼寝かな
○向日葵のくろこげのもとまたあした
でも、10句目の
緑陰を行くどこまでもどこまでも
これは失敗じゃないかなぁ。
二階へと木がのびている昼寝かな
は、気持ちいい句ですね。
10句目は、おっしゃるとおり。
【24 メインイベント】は、野口裕さんが印象句として〈寝技また汗に滑るやタイトル戦〉を挙げていらっしゃいます。
プロレス興行がストーリーとして構成されています。物語の成分が多いわりに、句に乾いた感じがあるところがおもしろいと思いました。クールな感じです。
兵馬俑の兵のごとくに南風受く
じっと何かを守って数千年を立ち続けてきた兵馬俑にみずからをたとえることで、南風をただ受けて、じっと立っていること、まっすぐ前を見据えていること、まるで長い長い時間を知っているかのような目をしていることが伝わってきます。
兵馬俑が南風に晒されていたとしたら、さらさらと、風化していったのだろう、それもまたよかっただろう、というそんな想像もかきたてられました。
格闘技を連作で俳句に詠む試みは、新興俳句時代、ボクシングやラグビーが競って連作のテーマとして詠まれたことを思い出します。
ただ、
寝技また汗に滑るやタイトル戦
となると、単なる実況wになってしまう。
「汗」という季語の弊害かと。
【24 メインイベント】
がっちり連作10句。ちょっと違うように見える10句目もおそらく関係あるのでしょう。
作者は少年のように夢中になって作っている。
それが伝わってきます。ただ、格闘技にさして興味のない私にはあまり響かないのですが。
一句選ぶとすれば、
○隙間無くタトウされたる素足かな
あ、指がもつれてうまく入力できんw
【24 メインイベント】
「兵馬俑の兵のごとくに南風受く」が面白いです。
「隙間無くタトウされたる素足かな」でクローズアップがある以外は対象との距離・位置関係が一定なのと、格闘の様子の描写にあまり執念がないのとで全体がやや平板になった印象。
【25 誰のものでもない金色】は、関さん、五十嵐さんが○。2点ですね。いかがでしょう?
季節の順ではなく並べられた10句。秋かと思えば、春夏やら春やら…。私などは、保守的なのか、そのへん、どうにかしてほしいという感じです。
数寄屋橋アスパラガスとすれ違う
銀座なので、きっと立派なアスパラガスなのでしょう。アスパラが無性に食べたくなります。
>季節の順ではなく並べられた10句。(天気さん)
それはあんまり気にならなかったです。
○数寄屋橋アスパラガスとすれ違う
○雨蛙アジサイ・テラス#三〇五
○グラスホッパー今日の予定に雨宿り
○秋霖や革靴履いた大男
このあたりの句が好きだったのですが、この作者はたぶん「其角座」のかたと思う。
ネット上で見た句がいくつか出ているのが少し気になりました。
週俳の判断にまかせますが。
銀座は、ブランド物を買ったり、高級店のイメージがありますが、実際には、生活の場として活用している人も多くいる。そんな銀座という街らしさが、いきいきと描かれていると思いました。
ちょっと否定的なことを言うと、〈秋霖や革靴履いた大男〉〈クツクツとカレー煮ている初閻魔〉が典型ですが、「作者がおもしろがっている」にとどまっている感があります。一般論として、このへんは難しいところです。
【25 誰のものでもない金色】
恋人の家を訪ねていくようなストーリー性にのめり込んで酔ってはいないものの、審美化しているようなところはあるので、季節の順番が違っているというのは、特に何か意図が働いているわけではないんでしょうね。
表題句の「秋の田の誰のものでもない金色」を先頭に持ってきたらこうなってしまったという感じで。
【26 さなぎ】はいかがでしょう?
〈放置レタス確かに三個雲の気分〉の〈雲の気分〉という、一種独善的な言い切りがおもしろいと思いました。
「雲の気分」なのは、レタスですか?
【26 さなぎ】
これはこれでありなんでしょうが。
言葉が多すぎて。
三個で切れる。
で、誰の気分かと言うと、
少なくともレタスではない(擬人法には読みません)。
とすると、作者の気分か、もっと集合的に気分なのか。どちらでも、奇妙な味です。
【26 さなぎ】
言葉づかいがかなり強引ながら、その分「緋色の土イタチと雨を聴くあいだ」とか「放置レタス確かに三個雲の気分」とか、既視感・類想感、気取りがなくて勢いがあるのは長所。
>言葉が多すぎて。
饒舌ですね。
好みから言えば、饒舌というだけで×です。
KARA踊る児ラッパ水仙塀に並び
アルファベットからカタカナから出てくるので、ちょっと読みにくいところが難ですが、KARA(のおそらくお尻振りダンスでしょう)を踊る子はかわいいだろうと納得でした。水仙の清潔感が、子どもの無垢さを表しているところも、よかったです。
【26 さなぎ】
一句とるとすればこれ。
○緋色の土イタチと雨を聴くあいだ
【27 歯が生える】は五十嵐さんの○です。
いわゆる「吾子俳句」10句。と思って読み進めると、〈八月の六日へ向けて工事中〉という句が締め。この句に「吾子」は読み取れませんでしたが、それは大きな問題というわけではないのですが。
【27 歯が生える】
これは若いお母さんの10句ですね。
子育ての日常の中から俳句を作るということに賛成です。
子育てということに触覚を伸ばし、たっぷりと作ってほしいです。
どの句もよいと思いました。
(妙に好意的?)
○二人目を身籠るらしき薔薇香る
若いお父さんかも。ですよ。
うつ伏せの嬰の後頭の玉の汗
赤ん坊は転がっているだけのように見えるけれど、ただ寝ているだけでも、一生懸命からだを使って順応しようとしているのだという、赤ん坊の必死なところを「後頭の汗」という具体的なもので表しているところが良かったです。
口開けて扇の風を受くる嬰
これも、子育てのリアルな時間があると思いました。子どものいない私には、扇で仰いでやると口を開ける赤ん坊、というモチーフは思いつかない。
CDは、Randy Newman; Land of Dreams に。
【27 歯が生える】は私はあまり言うことないです。
【28 アトムの胃】は、野口裕さんが印象句として〈一月やぱつかと開くアトムの胃〉を挙げていらっしゃいます。
郷愁的な題材でまとめた10句です。
ただ「歯が生える」モチーフは、草田男に万緑の名句がありますから、つくる(読む)からにはそこを超えていきたいという思いがわきます。
郷愁と言うよりも、すべてマンガでまとめた10句ですね。あ、グリコチョコレートだけは違いますね。
【28 アトムの胃】
懐旧的ではありますが、
時代は、バラバラです。
【28 アトムの胃】
アトム、鉄人28号、ベルバラ、火の鳥、ドラえもん、キャンディキャンディ、エヴァンゲリオン、のらくろ…。
えらいこと詠み込んだものですね。
作者はいつもこういう句を作っているのかなぁ。
ちょっと息苦しい感じがしました。
○一月やぱつかと開くアトムの胃
そうそう。
×郷愁 →懐旧
かつ、マンガ。
ドラえもんのポケットに入る西瓜かな
ドラえもんのポケットは、基本的に、しまってある道具を出すためにあるのですが、ときどき、大きなものを運ぶのに使われたりします。キャンプにでもいくのだろうかと、「西瓜」の季語から想像できるところが楽しい。
【28 アトムの胃】
マンガを現実生活との対比で対象化しないでマンガ自体として写生(?)していて、それと現実生活とのつなぎの位置に季語がある。しかしその季語がキャラの様子の説明や情緒の念押しみたいになってしまっているのが多い。
採るとしたら「一月やぱつかと開くアトムの胃」「朧夜のじやんけんグリコチョコレート」と「のらくろの台詞のやうだじふにぐわつ」。「のらくろ」が、旧かな表記「じふにぐわつ」のアナクロニズムとそれへのフェティッシュを呼び起こすために出てきている。
私もとるなら
一月やぱつかと開くアトムの胃
です。
胃は、ちょっと意表。原子力を呑み込む胃?
>キャラの様子の説明や情緒の念押し
人名俳句にも同様の陥穽が…。
「ぱかっ」ではなく「ぱつか」というところが、意外性もあって、リアルさもあって、いいですね。
【29 水】はいかがでしょう。関さんが○。
野口裕さんが印象句として〈水筒の名札ひらがな姫女苑〉を挙げていらっしゃいます。
「麦藁の海賊団だ夏帽子」は『ワンピース』なんでしょうが、「麦藁」と「夏帽子」分けたのは意味があるのかどうなのか。「麦藁の海賊団」と取ってみても麦藁が「夏帽子」までかかってしまいそうだし。
「麦藁の海賊団」だと、全員、帽子かぶってる可能性があるのも気になりました。
10句全部、「水」という字を詠み込んであるんですね。
水無月の飛沫模様の色紙かな
濡れてない色紙にも涼しさを感じます。
踏切を越ゆる潮風ソーダ水
海近くを走る電車、踏切をこれから越えるだろう自分、その爽やかさが「ソーダ水」。
【28 アトムの胃】に戻れば、
のらくろ と ワンピース が
同じ連作に入るのは、ありえないw
このへんは、パーソナルな一貫性という意味でも、時代が絞られるほうがよいと思います。
【29 水】
全体に手堅くて情緒があってスッとわかって、どちらかというと暴れているものを推したくても、全部読んでこういうのが出てくると、一息ついて思わず採ってしまうという作品でした。
【29 水】は、達者な題詠ですね。
ひとつ、核になるような句があればよいのに、と思いました。
【30 薔薇色】は、モノレールやタワー、ヘッドホンなどカタナカ事物が多いから、というだけでなく、≪都会的≫な雰囲気をもつ10句です。
筆致のアピールのしかたが抑えめで、そのあたりに巧みさを感じましたが、いかがでしょう。点数は入りませんでしたね。
【29 水】
○踏切を越ゆる潮風ソーダ水
この句がいいですね。
ただ、こういう連作はどうなのかなぁ。
平板な印象あり。
水筒の名札ひらがな姫女苑
これもシンプルでよく書けてると思います。ただ、「ひらがな」から小さい子だと分かるがゆえに、「姫」の字はちょっとダメ押しすぎるかというところが残念でもある。
いい意味の「手堅さ」も感じましたが、もうすこしだけ、読者を信じて、もう少しだけ、独善をしのびこませてもよいのかな、と思いました。かたちや的がいいだけに、贅沢をいいます。
夏空を借りる、虹に届かない
このあたりの喩えに、ちょっと擦り切れ感(陳腐感)がります。喩えずにモノだけでいいのに、と思ってしまいます。
【31 ビクターの犬】は五十嵐さんの◎です。
ちょっとノルタルジックな空気も流れる10句です。
【30 薔薇色】
派手さが空転気味な印象で、「薔薇色の未来をあをき薔薇に訊く」のような派手な逆説などが目立つ句より「夏空を借りて東京モノレール」「明易の二十八時のヘッドホン」の「東京」「二十八時」などが利いている気がします。
わぁ、もう【30 薔薇色】に行っちゃったのね。
○夏空を借りて東京モノレール
このへんはいいんじゃないでしょうか。
ただ、「のきのきと」とか「ざつと」とかは賛成できない。
「のきのき」のオノマトペ、タワーの硬質感と、少しずつ加えられてゆくぎしぎし感が、よく捉えられていると思いました。
「~の大好きな人大嫌ひ」というのも、でで虫ならそうだろうという腑に落ちてしまうところが残念ですが、はまれば、作者の性格が一句で屹立するような、ばしっとした句になる可能性あると思います。
「二十八時」といった表現をみると、ついつい、世代なのか、福山雅治の曲に「25時の電話のベル 土曜日の~」みたいなフレーズがあったのを思い出します。
なんて言ってるうちにもう【31 ビクターの犬】w
○マネキンの足組み替へる薄暑かな
○横丁にビクターの犬ラムネ抜く
○解散は泰山木の花暮れて
○遠き日の脛の白さを蛍の夜
○羅や跳ね橋あがる時を待ち
このあたりにひかれました。
特に1句目に。
指がもつれるよぉ。
「マネキンの足組み替へる」というのは、お店の人が、マネキンの足を組み替える、ということですか?
「25時」は小説にあるのですよ。
むかし喫茶店もあったなあ。
28時とかいう言い方は、いま深夜番組表で使いますね。
【31 ビクターの犬】
採ったのは「解散は泰山木の花暮れて」。大らかな満ち足りた感じがある。
「少年の声はソプラノ河鹿鳴く」も悪くないけど、近いのでどこかに既にあるかも。
表題句の「横丁にビクターの犬ラムネ抜く」はノスタルジックなもので固めすぎなので、どこか外すところが欲しかったような。
「ペディキュアにラメ入る夏や鹿の糞」は下を見ていたら目に入ってきた感じで、素材の割りにはそういやな気はしないんですが「や」で切ると「鹿の糞」が結論みたいに強く出てしまうのがちょっと損かなと。
【31 ビクターの犬】
〈ペディキュアにラメ入る夏や鹿の糞〉の〈鹿の糞〉という下五、すごいですね(笑)。奈良公園でデートしたという、案外素直な造りかもしれませんが。
マネキンが足を組み替えたのです。
お店の人かもしれない。マネキン自身かもしれない・・・。
ペディキュアにラメ入る夏や鹿の糞
視線が統一されているのが面白い。鹿の糞と並べることで、ペディキュアに微妙な思いを抱いて眺めていること、逆に鹿の糞が意外とかわいいかたちをしていることなど見えてきます。
マネキンは、足が組み変えられるようには出来てないと思ったのですが、そういうタイプもあるんでしょうか。ホラーといわれれば、そうか、ということなのですが。マネキンが、足を組んでるっていうだけで、薄暑の涼しさや昂揚感はいえているような気がしました。
「マネキン」は販売員の意味もありますが、そう取ると「マネキン」という意味なくなるので人形なんでしょうね。
善人は遅れて来たり寒卵
どういうシチュエーションなのか、遅れて来たけど間に合った、と取りたい気持ちになるのは「寒卵」が前向きな季語だからかな。
「遅れてくる」ということが、善人が必ずしも善人でないような気がする変な描写であることも、リアルでした。
【32 フド記】も五十嵐さんの◎です。
野口裕さんが印象句として〈まなこみな薄紫の神の旅〉を挙げていらっしゃいます。
この10句は、季節の並び順にはなっていません。
五十嵐さんのコメント再録
●
時間差があってうまく入れられないかもしれませんが、イチオシにした「32 フド記」で採った句は次の句。
○風呂敷の中の秋風年経たり
○ことごとく墓の前にて息白し
○燐寸費す汝寒椿をへだて
○燕子花たましいながらムラサキに
○鳩冬に不確かなもの啄むや
○地下鉄を乗り継ぐ日々も枯れゆくに
【32 フド記】
「ことごとく墓の前にて息白し」「燕子花たましいながらムラサキに」等は言いたいことがあってそれが先走ってしまっている印象。
採ったのは薄紫が利いている「まなこみな薄紫の神の旅」と「地下鉄を乗り継ぐ日々も枯れゆくに」。
【32 フド記】
正直に言います。
これが今回、ぼくのイチオシ作品です。
どの句にも静かなせつなさがあるようです。
小さな声でつぶやくように、それでいてけっして平凡ではない世界です。
どの句も読者であるぼく自身の内面で直に受け取ることができて、ちょっと動揺するほどでした。
○風呂敷の中の秋風年経たり
○ことごとく墓の前にて息白し
○燐寸費す汝寒椿をへだて
○燕子花たましいながらムラサキに
○鳩冬に不確かなもの啄むや
○地下鉄を乗り継ぐ日々も枯れゆくに
思いの強い10句ですね。
敢えて否定的に言えば、思わせぶりで、具体がないようにも(例:善人は遅れて来たり寒卵)。
「作者の思い」が、読者の関心になり得るのかどうか。
五十嵐さんは、きっと、なり得る、という立場なのでしょう?
【32 フド記】
完璧にスタライクゾーンでした。
「日々」が「枯れる」、たとえがすこし俗っぽいのが気になりました。『黄昏流星群』の世界に見えるところ、季語や言葉のちからで、その世界にはまだいない人間にも、伝わるようになるといいのですが。
「ムラサキ」もカタカナでないほうが。「たましいながら」というのは、たましいはふつう別の色だという意味にとれますが、その前提がなかなか伝わりにくいかもしれません。
たしかに、切なさが詠み込まれていて内容に惹かれるところも多いです。ただ、まだすこし表現が練られていない印象のある10句なので、なかなか推しにくいというところがありました。
あ、ストライク、ね。
指もつれっぱなし。
【33 夏至南風】
「朧夜のテールスープの白髪ねぎ」「行く春や雨やり過ごす牛丼屋」「身の内に森あり滝に濡れ尽くし」などは実感も情緒もあり。
「白髪ねぎ」「滝に濡れ尽くし」などの意外性で、鮮明さと手応えがあります。
ムラサキは漢字を使わないことで、漢字文化の呪縛を取り払っているのです。ここでは。
>「白髪ねぎ」「滝に濡れ尽くし」などの意外性で、鮮明さと手応えがあります。
同感です。
ウェットになりすぎず、乾き過ぎず、バランスが絶妙だと思いました。
「迫り来ぬ」、これも最後の5文字、最後の「ぬ」がダメ押しの丁寧さを発揮していてゆるぎないです。
秀彦さん>いや、漢字にしなくていいんですけど、ひらがなという選択肢もありますよね。
まなこみな薄紫の神の旅
は不思議な感触がありますね。
ただ、全体に、思うこと・考えていることをそのまま言って、プラス季語、という作り。
作者がどう見るか、何をするか、どう捉えるかに興味があるのであって、「内面」(その吐露)には興味がない、というのが私です。
このあたりは、きっと五十嵐さんとは平行線なので、平行線のまま、次に行きましょうw
【32 フド記】の「ムラサキ」は漢字の「紫」で意味だけ一度にわかってしまうとまずいのでカタカナでディレイをかけて花の色にじっくり寄り添おうとしているというのはわかります。
私はこの一連では「まなこみな薄紫の神の旅」だけ図抜けている印象でした。
【33 夏至南風】は神野さんの◎です。
【33 夏至南風】
旧かなモドキは凡ミスかな。
一句選べば
朧夜のテールスープの白髪ねぎ
あ、しくこいようですが、ひらがなではだめなのです。
神野さんのコメント再録
●
33番「夏至南風」は、丁寧に言葉をつないでいく心地よさ、言葉があるべき場所にあるというゆるぎない感じがありました。「行く春や雨やり過ごす牛丼屋」、雨が降っていたので、雨宿りのために、近くの(おそらくチェーンの)牛丼屋に飛び込んだんでしょう。ちょうどおなかもすいてたし、ということで。本来なら、牛丼を食べる場所なのだけど、「雨やり過ごす」ために牛丼を食べているというひっくり返り方が面白いです。「行く春」の季語も、夏が来そうな雨の瞬間的な激しさをみせてくれていて、でも夏より春のほうが愁いがでるので、絶妙でした。
「水貝や東京は玻璃ちりばむる」も、「水貝」の取り合わせが、硝子の冷たい触感を思わせるところ巧みですし、「梅雨寒の実験動物室匂ふ」は「寒」の一字をいれたことで、むわむわした熱気とともにやってくる匂いではなく、しずかに漂う生き物の湿気混じりの匂いであることが伝わります。「宛がひて包丁と茄子照り合へる」、包丁も茄子も、場合によっては照りますが、ふたつが「照り合う」と表現されることで、茄子にははがねの光が、包丁には茄子のむらさきの光が、どこかに潜んでいたのだということに気付かされます。切るものと切られるものが、互いを照らし合う、その俎板の上の運命的な瞬間を、日常的に体験している私たちは、やはりふだん、生活をするさいには、鈍感になっているのかなと、こうした鋭敏な感性の句をみると、気付くところであります。
「身の内に森あり滝に濡れ尽くし」これは心象的な句です。私は、身の内に森があって、その森が、またもっと大きな滝によって濡れ尽しているんだ、というふうにとりました。もうひとつ、身の内に森がある、実際の私の身は、修験道でもやったのか、滝に濡れ尽している、というふうにもとれますが、滝に打たれてどしゃぶりの森が、きらきらと雫を跳ね返している様子を、胸のうちに持つひとの目は、どんなにきれいだろうと思います。
【33 夏至南風】は言葉を詰め込んではいないんですが、わりとしつこく対象に迫ろうとしていて、その滑らかさと執念のバランスがよかったですね。意志力が感じられる。
〈宛がひて包丁と茄子照り合へる〉は本格的な写生句に思えます。
〈水貝や東京は玻璃ちりばむる〉は、この季語を含めて、上等感(良い意味です)もあると思います。
「大ひなる」→「大いなる」
仮名遣いの間違いは直したいです。
丁寧で粘り強く、新鮮さも効いている10句でした。
【33 夏至南風】
全体に気取った作風ですね(悪い意味ばかりではなく)
しかし、
身の内に森あり滝に濡れ尽くし
…となると、気取り過ぎかな、と。
【34 うみねこ】はいかがでしょうか。
五十嵐さんの○です。
「旅吟」10句として、安定感がありますね。
朝凪や砂利青白き線路跡
廃線の線路が、海の近くにあるのでしょう。朝凪のしずかな時間の中、ふとみとめたその線路に敷かれた砂利を、青白く感じたというところに作者の感覚の冴えがあります。色合いから、涼しさを感じるところも、夏の朝の心地よさを読みとることができます。
【34 うみねこ】
一句目がとても気に入りました。こんな感じで10句そろえてほしかった。
○荷造りの紐の足りない昭和の日
【35 みづ】は、五十嵐さんの◎です。
野口裕さんが印象句として〈夏雲に端切を當てて粗く縫ふ〉を挙げていらっしゃいます。
【34 うみねこ】
「うみねこの糞たくましく降り来り」の「たくましく」と、「夏潮をなだめて夕日落ちにけり」の「なだめて」は面白かった。
「海恋しからう烏賊釣船解体」「サルベージ船が薄暑の海つかむ」は擬人法的なまなざしがやや行きすぎかなと思いますが。
あと「荷造りの紐の足りない昭和の日」はこれだけで昭和が遠くなったという感じが伝わる。
一見地味な「朝凪や砂利青白き線路跡」も「青白き」が軽く非日常感の方に踏み出している気配があって、全体としては物に語らせようとしていて、旅吟らしい漂泊感があって悪くなかったです。
【35 みづ】
特選というはっきりした手ごたえはなかったのだが、結局採れる句が多かったです。
○時間が壁の高いところにある白夜
○ゆふだちを孔雀は「兄(けい)」と告げ渡る
○羽抜鳥の首に繃帯くれなゐの
○河口あれば河尻のある鰻かな
○つめたさの朝寝の死者の白枕
時間が壁の高いところにある白夜
自分の手の、届きそうで届かないところにある<時間>、隔靴掻痒感というよりも、そのくらいの距離をどこかで受け入れているというかんじが、涼やかでした。
白夜の、上のほうがいつも明るい、上のほうに何かがある感覚を、こういう風に表現したということだと解釈しました。
〈父の乳首吻ふ母ありき蜜豆来〉はかなりの問題句。
父の乳首と蜜豆の豆の視覚的相同で、笑いをとっただけという見方もありますが、母をもってきたところは、かなり踏み込んでいますよ。
【35 みづ】
「ゆふだちを孔雀は「兄(けい)」と告げ渡る」が面白く、「孔雀」が豪奢な上、予想外の不意打ちの快感。
「羽抜鳥の首に繃帯くれなゐの」もどぎつい素材がさほどあざとくなっていなくて「羽抜鳥」が迫ってくる。
【36 枇杷の実】は、五十嵐さんと神野さんが○。2点入りました。
神野さんは、すでにコメントされています。
再録すると…
●
36「枇杷の実」
「六月や靴の踵で描くベース」、六月の必然性はあまりありませんが、すっごくかんたんな草野球のはじまりが、気持ちよく描けてます。
「枇杷の実に工事の足場触れてをり」狭いところに組まれた工事の足場、枇杷のうっそうとした茂り具合、双方が「触れてをり」でみえてきます。
「眠る間も血は巡りたるえごの花」、血流の音が、しずかに聞こえてくるようなきがします。
●
野口裕さんが印象句として〈枇杷の実に工事の足場触れてをり〉を挙げていらっしゃいます。
六月や靴の踵で描くベース
黒板にヘロンの公式窓に蜂
…など、学校モノの題材も混じり、ノルタルジックな側面もあります。
父の乳首吻ふ母ありき蜜豆来
この句もいい。
>父の乳首吻ふ母ありき蜜豆来
>この句もいい。
ってwww すごい景ですよ、これ。
【36 枇杷の実】
○六月や靴の踵で描くベース
○枇杷の実に工事の足場触れてをり
独特のセンスを持った人だなと思いました。言葉の効果をよく知っているのではないでしょうか。
残念なのは「人間としては失格さくらんぼ」のような句が混じってしまったことです。
これは10句の中では致命的な印象がある。似た感じで10句目もどうか。
うまいだけに、出来てしまうような感じの句。
>ってwww すごい景ですよ、これ。
すごい景であれば描くべきです。
【36 枇杷の実】
「サングラスとことん手話で言ひ負かす」、「とことん」やや俗っぽいかもしれないけど面白い。
「夏富士やバケツ鳴らして牛の乳」「黒板にヘロンの公式窓に蜂」「夏空へ助走短く跳びにけり」などもざっくりした読み方で爽快感あり。
>すごい景であれば描くべきです。
納得。
今回、私にとって、いちばん記憶に残りそうな句です。
夏空へ助走短く跳びにけり
…青春ですね。
やはり、ノスタルジー。
【37 いびつ】はすでに語っていただきましたので、
【38 明滅】は、五十嵐さんの◎。
松尾清隆さんの推す3作品のうちの1つです。
野口裕さんが印象句として〈紙で創る世界海月の王も紙〉を挙げていらっしゃいます。
私は、韻律の確かさを感じました。
35の「父の乳首吻ふ母ありき蜜豆来」は意味よくわからないのに不穏なインパクトがあって、鑑賞次第で意外な名句になるのかもと思わせる力があります。
【38 明滅】
今回、30番台の作品に気になるものが多かったんですよ。その最後がこれ。
いんだけどなぁ。でも少し破たんしてしまっているものもあるようです。
その破たんをよしとするかどうか少し迷いました。
○蟹追う犬空間が混み合っている
○紙で創る世界海月の王も紙
○飛魚を食い強運をもてあます
○実母義母金魚静まりかえる雨後
かたつむり雨を痛がる地球の子
「地球の子」というところに、地に足ついてる感じ、愛情が湧きます。
薔薇を見るあなたが薔薇でない幸せ
哲学をやっているような。むしろ「薔薇同士だったら、不幸せだ」という表明と読んで、薔薇のみの咲いている光景をさみしく思ったことでした。
○ひけらかす死のかりそめを明るい雨季
○薔薇を見るあなたが薔薇でない幸せ
これもいい。
【38 明滅】
採ったのはヒネクレ感が面白い「薔薇を見るあなたが薔薇でない幸せ」。あと「飛魚を食い強運をもてあます」も「飛魚」でなければならないのだろうなと。
「紙で創る世界海月の王も紙」の神話的な「海月の王」も紙というのも架空の人工物ならではの思い入れに誘いこむところがあって良いですね。
【38 明滅】
こういうワケのわからなさはおもいろいです。
一定必要量の迫力を備えていると思います。
というわけで38作品。
そろそろまとめにかかりたいのですが、
【37 いびつ】 神野◎ 関○ 五十嵐○
【13 微熱】 関○ 五十嵐○ 神野○
この2作品は掲載。
神野さんが強く推される【05 おのまとぺ】も掲載でいいですか?
あとは、五十嵐さん、関さんに、それぞれ1作品選んでいただくということでいかがでしょう?
それぞれ、お三方の「オススメ」作品ということで掲載させていただきます。
【05 おのまとぺ】は、前回、ツイッター上で賛否両論。
かなり激しい否定意見も見られましたが。
【32 フド記】か、【38 明滅】。
ああ、迷う!
ひとつじゃないとダメ?
それでOKです。満足です。
表題句の「明滅や夕立を少女は絶対」なんか、舌足らずもいいとこなのに、これはこれでいいのかなと押し切られてしまう。
「少女」の苛烈さと不安定さ自体が「夕立」を呼び込んで「明滅」しているような強烈さ。
「05 おのまとぺ」はあれだけ物議をかもしたのだから、掲載でしょう。
一般に、誰かにとことん嫌われるようなものでないと、誰かに深く愛されることはない。
(なんにでも言えるぞ、これ)
迷ってください。
いま結論じゃなくても、いいです。
このさい、私(進行役)も、オススメ、ひとつ決めちゃおうかなあ♪ などと。
どうしてもひとつということなら。
おそらく高い評価を得ないだろうと思いながら、最後まで支持しようと最初から決めていた「32フド記」で。
西原さん推薦もひとつ入れたいですね!
【35 みづ】も読んでいるうちに怪しさが際立ってきたし、【38 明滅】の強引さも捨て難いし……。
ただね、
【05 おのまとぺ】は、
この「おのまとぺ」というタイトルは換えてもらおうかな、と。
作者と相談したい。
そのあたりの融通は利かしたいです。
どこかの正式なナントカ賞じゃあないんだから。
でも38!捨てがたいなぁ!
そうそう。ひとこと言っておくけど、「おのまとぺ」は物議をかもした点で意義あると思うけど、ぼくは評価できない。
あはは。迷ってください。
「おのまとぺ」の題、私はこの題でいいと思ってます。
コンセプトがはっきりしていいですし、「おのまとぺ」と書いてあっても、作品の良さは変わらないのでは。
もちろん、他の方の意見など見て、本人が変更したいということであるなら、反対はしません。
五十嵐さんが【32 フド記】ということであれば、【38 明滅】は私が推します。
最初推していた【17 竹婦人VS. 】はわかりが良すぎるのがここに来てやや物足りなくなってきた。
私のオススメは、ここでは明かさすにおこうかな、と思いますwww
そのほうが楽しみでしょう?
「おのまとぺ」評価はしないけど、掲載には大賛成。
こういうものが入らなくちゃだめだと思う。
関さん! いい人だなぁ!
>ぼくは評価できない。
はい、評価だけがすべてじゃないです。
これ、もとに戻れば、評価を第一に置いていない。
「おもしろいもの」探し。
「おもしろいこと」起こし。
評価は、そのほんの一部分。
みなさんは、べつに大先生じゃないw
西原さん・・・そりゃズルイぞ。
ほとんど碧梧桐ではないかという奇怪な詰め込み方の【26 さなぎ】も微妙に引っかかりはするのですよね。良い句もあるし。
では、24時を過ぎましたから、解散しましょう。
オススメは、明日でも明後日でも。
メールでやりとりできますし。
次号(7月3日号)掲載には間に合わせましょう。
>西原さん・・・そりゃズルイぞ。
あ、じゃあ、ここで。
第一印象で、【06 百八】にしようかなと思います。
みなさんの無点だったというのも、選ぶ理由。
対面だと案外、「ねえ」とか「まあ」とかいう表情で、発言のニュアンスが伝わったりするのですが、価値観の違いを、言葉のみで表現するというところが、こうしたコメント欄での選評の、面白いところでも難しいところでもありました。
いい経験になりました。
ありがとうございました。
おやすみなさいませ。
はい。
みなさまお疲れ様でした。
やっぱり「06 百八」か。
西原さん、未練たっぷりでしたものね。
了解ですよ。
では、このへんでお開きですか。
>やっぱり「06 百八」か。
気が変わるかもw
おやすみなさい。
もうすぐ更新の本誌(第219号・7月3日号)に、まとめて結果発表です。
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