〔ネット拾読〕14
気がつくと家じゅうが時計だらけだった人さいばら天気はい、こんにちは。また日曜日がやってまいりました。
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蝉鯨 from みしみし 三島ゆかり俳句日記
http://misimisi.exblog.jp/11727193/「背美鯨」か「背見鯨」か。湯桶読みの「背美」には無理があることからしても、三島ゆかり氏の「背見」説に一票。
で、ひょっとして「蝉」には似ていないのか?とふと思い、見てみますと…
http://www.pref.mie.jp/haku/Hp/Collection/Makimono/Img/kujira.jpghttp://www.sdnhm.org/research/readings/images/fn_307whalejump_400w.jpg似ているような似ていないような…。
似てないか。
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権利侵害について。
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クリプトンさんがミイラになりつつある件 from ひろゆき@オープンSNS
http://www.asks.jp/users/hiro/61745.html
簡単に経緯を説明すれば、動画投稿サイトに、初音ミクが「白いクスリ」という「碧いうさぎ」(酒井法子歌唱)の替え歌が投稿された。それをクリプトンという会社(初音ミクで商売をしている)が権利侵害として、削除要請したというもの。
コメント欄では、法律上のことやらなにやらが書き込まれていますが、これ、パロディ等への
寛容と不寛容の問題でしょう。どの分野でも持ち上がる問題です。
(ところで初音ミクって何?)
原典(オリジナル)がある。それを参照にしていろいろな遊びがある。パロディ、本歌取り、返歌…等々。
そこに、オリジナル側から「権利侵害」などというのは、どうなんでしょう?
おおざっぱに次のふたつはまったく別物です。
A)パロディ、本歌取り、返歌
≫オリジナルの存在の尊重
≫オリジナルが周知であることが前提(知っといてもらわないと成立しない)
B)剽窃・盗作
≫オリジナルの存在を秘匿
≫オリジナルが周知でないことが前提(知られていると、まずい)
パロディや本歌取りの原典であることは、オリジナルとして一種の名誉であると考え、法律上はいろいろあるにしても、寛容の態度をとるわけにはいかないもんでしょうか。
どのようにパロられるかもすべて受け入れる。原典としての寛容な態度というか。
髭のモナリザもまた、名画モナリザの原典としての偉大さを証明するもの。ダ・ヴィンチは怒ったりしないと思います。話が大きくなりましたが、合法・非合法という基準とは別に、寛容か不寛容かという態度選択があるはずです。
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このあいだ終わったばかりの俳句甲子園関連で少し…と、話に入る前に、「
短歌甲子園」もあるんですね。≫
告知ホームページさて「週刊俳句」第121号には関連記事3本。そのなかで…
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佐藤文香氏「夏休みグラスに砂を満たしけり 第12回俳句甲子園 うちらの場合」http://weekly-haiku.blogspot.com/2009/08/blog-post_16.html人の評価ってのは、ほんと、さまざまです。個別の句については控えますが、
敗者復活戦だって、「七夕や宇宙飛行士ブログ書く」は「こりゃ絶対ないな」と私などは思います。でも、これだって「先生方」が選んだわけですよね。いろいろな感想や評価があるんでしょうし、あっていい。それよりも、この記事のハイライト(?)は、こっちでしょう。「七夕や子供に渡す聴診器」についての次のくだり。
審査員の先生は「これは病院の診察室でのことですか」のような質問をした。それは読者が考えることだから、那須くんは「診察室でなくてもいい、七夕に子供に聴診器を渡す、それだけ」のような応え方をした。そしたら観客席の、ある高校の引率の先生が「はっはっはっわからな〜い」と手を叩いて笑った。そのあたりの人達や違うところでも笑っていたね。(前掲・佐藤文香)
このことを、「程度の悪いのは、どこにでもいる」としておくのか(個別の問題)、それとも俳句甲子園、ひいては俳句世間全体の〝病〟のようなものと捉えるか。……どうなんでしょう?
どっちの俳句が「勝ち」だの「負け」だの、ゲームとしてやるならいいのですが、そのとき例えば、「きちんと読む」ことのほうがずっと大事ということは押さえておかないといけません。「優勝劣敗」の観念が根づかないような注意も必要でしょう。「勝ったものが優れていて、負けたものが劣っている」
わけではない。勝ちと決まったものが勝ち、負けと決まったほうが負け。それが「ゲーム」ということです。
勝った負けたは誰でもたやすく熱狂しやすいぶん、とても妙なことになりやすい。「熱狂」という代物には、とりあえず気をつけたほうがいいわけです。
評価も含めて、この手のものには
51パーセントの信頼(半信半疑よりちょっと多めの信頼)がよいと考えています。若い人には、「オトナたちのわかったふうでワケのわからない文言に惑わされるなよ。阿呆なオトナに引きずられていたら、楽しいはずのものが楽しくなくなっちゃうよ」と伝えたい気持ちです。
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それではまた、次の日曜日にお会いできることを祈りつつ。
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