こんなところでヤギたちと出会うとは
福田若之
総務課の我妻悟さん(34)は、「ヤギたちは冬の間にやせた。心ゆくまで草を食べてもらいたい」と話す。この、「ヤギたちは冬の間にやせた。心ゆくまで草を食べてもらいたい」ということばを、短歌としても読みうるような気がするのは、僕が短歌のことをよく知らないからというだけなのか、それとも、短歌のことをよく知る人たちにとってもそうでありうるのだろうか。
(鬼頭恒成、「除草係のヤギ、「職場復帰」――JR立川駅近く 4ヵ月ぶり」、『朝日新聞』、2016年4月14日付朝刊、多摩版、25面)
いずれにせよ、この多摩版の片隅に僕にとって短歌として読みうる言葉を発見したことは、あの立川駅の近くでヤギたちと出会うことと同じぐらい、うれしいおどろきだったには違いない。
2016/4/14
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