汽笛
竹秋の天より降つてくる汽笛 中田尚子〔*〕
日傘して汽笛の音の次を待つ 藤田湘子
荒梅雨の沖の汽笛や誰かの忌 西東三鬼
頓狂汽笛に応える汽笛冬夜長し 鈴木六林男
遠く呼びあふ汽笛その尾に凍る星 佐藤鬼房
神戸美し除夜の汽笛の鳴り交ふとき 後藤比奈夫
なつかしき羅宇屋の汽笛春待てば 加倉井秋を
〔*〕『絵空』第15号(2016年4月15日)より。
不定期・正午更新●『週刊俳句』の裏モノ●another side of HAIKU WEEKLY
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