【みみず・ぶっくす06】
積みたる貨車は 小津夜景
小津夜景
【みみず・ぶっくす 06】積みたる貨車は
氷湖より白い表紙のやうに明け
要のない身にあとがきを冬の薔薇
さらばとふことば時雨るるシェルブール
義戦知る友に仮死なる夜やあらむ
待ちながら神は旅寝のくさまくら
しろながすくぢら硝子のしらほねら
寒に触れかんざしに彫るフローラを
宵越しの風花もたぬ足裏かな
ぼろぼろのマントを脱がむ逝かば先づ
ふゆいちご去りて檻なる日向へと
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