〔今週号の表紙〕
第320号 傘
西村小市
関東の私鉄・西武国分寺線の恋ヶ窪駅近くの畑に突き立てられていた傘です。
ところで、あなたは何本の傘をお持ちですか?
その中で一番高かったものはいくらでしたか?
その中で一番安いものはいくらでしたか?
これまで何本の傘を置き忘れましたか?
傘を置いていたらなくなったという経験はありますか?
私の答は、持っている傘は5本、一番高かったのは1050円、一番安かったのは105円、置き忘れた数は10本をはるかに超え、傘立てに置いていた傘がなくなっていたことが5回はあります。学校、図書館、書店などで持っていかれてしまいました。古い汚い傘だから大丈夫だろうと思ったのが間違い、古い傘を持っていくことだって多いようです。
1ヶ月ほど前にダメになった傘やたくさんあったビニール傘を処分したので5本という答になりましたが、処分する前には15本はありました。そして窓の面格子には、どなたかが引っ掛けていって下さったまだ新しいビニール傘が1本あります。
今や傘は使い捨ての消耗品といった感じです。ビニール傘でないものもあまり長持ちしそうにありませんし、買うときには、なくなってもいいようなものを選んでしまいます。スーパーで500円くらいの傘を買ってきたら、すぐに持ち手の部分が壊れたり、ワンタッチの留め金がきかなくなったりしたことがあります。「安物買いの銭失い」なのですが、しっかりとした国産の傘を捜してみると、安くても15,000円程の値段。置き忘れることを考えると躊躇してしまいます。
傘を見ると森進一の「おふくろさん」や「核の傘」なんて思い出したりしますが、「破れ傘」がキク科の多年草の名前、「傘雨忌」が久保田万太郎の忌日でともに夏の季語であることをさっき知りました。
■にしむら・こいち
1950年神戸市生まれ、埼玉県在住。2007年より「ほんやらなまず句会」参加、2012年「街」入会。
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2013年6月9日日曜日
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