西原天気
※樋口由紀子さんオヤスミにつき代打。
一本のネジは余るし雨は降る 岡林裕子
ぴったりに越したことはないが、足りないよりも余るほうがいい。機能的には。というのは、用を足すに困らないという意味。
しかしながら、気持ちとしては、おおいに問題。揺さぶられる。
足りないのは、おそらく自分の過失だ。足りないことがないように、はずしたネジは管理する。ところが、余るとは、いったいどういうことだ?
つまり不思議さ加減は、足りないよりも余るほうがはるかに大きい。
問題・疑問を眼前にして、まあ、いいかと、うっちゃって外に散歩にでも出かけようにも、雨。雨に閉じ込められるように、不思議と一体になって過ごすしかない。
掲句は『川柳木馬』第182号(2025年4月)より。
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