ベンキョー? ● 太田うさぎ
句会が終っての歓談のとき、ある方が、無意識に類句を作ってしまいそうなので人の句は読まない、とおっしゃった。そのときは、ふうん、と否定も肯定もなく聞いていたのだけど、あとからふつふつとハテナマークが湧いてきた。
私は俳句に出会ったばっかりの頃、ひとの句を読むのが楽しかった。これまでの読書ジャンルにないものだったから目新しくて面白かった。単純に、そうだった。
日野草城の『昨日の花』とか、わー、こんな昔にこんなモダンに今でもすっごく通じる会社員の一風景だー! なんて感激したし。茨木和生の『倭』ではきらめくフォークロアに嬉しくなったし。
ひょんなきっかけで係わった世界の先達と出会うのがとにかくエキサイティングだった。私としてはまったく読書の延長で、その出会いの嬉しさを共有したかったのに、話せば、たいがいは「うさぎさんは勉強してるから」と答えが返ってきたものだ。
は?と驚いた。驚きましたよー。ベンキョー?
野球を始めた小僧が、例えば王のフラミンゴ打法ってすげーな!とか沢村ってピッチャーがいたらしいな、とか、そんなことを話したがるのとおんなしレベルだったんだけど。なぜそれがベンキョーになるんだか。
自分の俳句を作るために、よその俳句はあるんだろうか。
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5 件のコメント:
うさぎさん、読書の延長とは、言い得ていますよね。
そうそう、人の句を読むのって快楽ですよね。読書も快楽。それとおんなじだと思うけど。最近、波多野爽波が気になっています。
フフフ。
人の句を読まない俳人は結構多いのではないでしょうかねえ。結社誌でも自分がどこに載っているか確かめて、主宰の句を読んで、巻頭句をちらりと眺めておしまい・・なんてこと自分でもしております。
雑誌読んでもなかなか好きな俳句に出会えない現状もあるのかもしれませぬが・・・
気に入った句集は何回も楽しめます。
べんきょーといってしまうと急に引きますけどね。
はじめまして、(ペコリ)
ぜんぜん、話それてすみませんが。買物に行って、値段をみて「ねー、ベンキョーしてよ」って言ったり、、しませんか?マケルことですが、何か、思い出して、つい書き込みました。多分、母は江戸っ子ですので、地域性かな。。
いつもこの「あかるい俳句」楽しいですう。大変でしょうが、続けてくださいね。
おはようございます。
関西でも言いますよ。全国的?
売る側が「(商売を)勉強させてもらいます」という意味ですよね。だから買う側は「ちょっと大将。勉強しなさいよ」といった調子。
「マケル」は関西ローカルか、とも。
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