2013年10月26日土曜日

【俳誌拝読】『儒艮 JUGON』第3号

【俳誌拝読】
『儒艮 JUGON』第3号(2013年11月1日)


A5判、本文64頁。編集・発行:久保純夫。

久保純夫氏の個人誌と解していいのだろう。氏の3作品(各76句、56句、76句)を収載。加えて招待作家11氏・12作品(各30句)。2段組に句作品をふんだんに配した作り。評論、エッセイ、句集評も。以下、気ままに何句か。

  なめくじら指の先より這い出しぬ  久保純夫

  水玉に毛が生えてくる箱眼鏡  同

この2句は「草間彌生を眺めながら」76句より。草間作品の幻想・蠱惑に俳句で寄り添う。

  泣きながら躯を通る紅葉かな  同

  朝顔の力満ちくる腋毛たち  城 貴代美

  朽野や鯨の骨が組みあがり  仲田陽子

  秋風は縞をなすなりフラミンゴ  岡田由季

  月今宵きりんの中に椅子組まる  木村 修

  刻々と光の変わる唐辛子  上森敦代

  涼しさに何の鳥かはよく見えぬ  杉浦圭佑

  姉さんは鮮やか躑躅吸うときも  原 知子

(西原天気・記)

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