2010年12月18日土曜日

●楽しいことだけ聞かせて 上野葉月

楽しいことだけ聞かせて

上野葉月


最先端を行くシティギャル(死語)にとって当然「日曜日は週刊俳句の日!!」であるわけだが、最先端でもなければシティギャル(死語)でもない私にとって日曜日は「俳句人口は百万単位で存在するという噂なのに、どうして俳句畑からは『ハートキャッチプリキュア』というようなアナーキーかつデストローイ!な言葉が出てこないのだろう」というような感慨にふける日でもある。まあ言い掛かりのようなもの。アナーキーかつデストローイ!なものを目差しているのなら、もとより嬉し恥ずかしパンクロックなどやっていればいいので俳句を選択する理由がないのは自明だ。



さてプリキュアシリーズと言えば、小さなお友達(の保護者)にはアクセサリや衣装を購入させ大きなお友達にはDVDを購入させる地上最強とも言われる無敵のビジネスモデルとして世界的に有名だが、今期のプリキュアが触手を封印しているのは放送開始当時ずいぶん話題になった。プリキュアと言えば触手、触手といえばプリキュアなのに!である。(反対とかそういう以前に口にするのも汚らわしいようにすら感じられる、あの)東京都青少年保護条例の改正案成立を見越しての措置という推測が一般的だったが、まあ外れてはいないのだろう。

出版各社はそれなりに大きな声で反対表明しているけど、玩具メーカーとしてはスタンスが違うのは当然と言えば当然のような気もする。

条例のことはとりあえず脇に置いておくとしても、触手は現代日本が世界に誇る(ちょっこしどころかかなり恥ずかしい)文化であることは疑いない。本当にどうしてこんなことに?

まあ噂によると、今期プリキュア各話の締め、「こころの種」を小動物が生み出す場面も不健全だと怒る人達がいるらしい。なんかもう、際限ないとしか言いようがない。



プリキュアシリーズのエンディングは一貫して現代日本アニメの水準の明確な指標として推移しているので、今期のエンディングでのキュアムーンライトの大きさというのは衆目を引いて止まないのは想像に難くない。というかわざとやってるだろ、あれ>スタッフ

最近月影ゆりに対してプリキュア5の秋元こまちと水無月かれんが「高校生にもなって。プリキュアって中学生までよね」とねちねち苛めるプリキュアパロディをあちこちで見かける。プリキュア5でババア呼ばわりされた鬱憤を数年後の今はらしている図。こういう二次創作に走る気持ちはよくわかる。プリキュア5の開始時、今回はババア枠が二人!とずいぶん話題になったものだった。

それにしてもババア枠って。いくらなんでも。六歳前後の女児を対象とした番組だからって、十五歳でババア呼ばわり。SWのミーナ・ヴィルケ中佐やハヤテのマリアさんが十八歳でババア呼ばわりというのも有名で同情を禁じ得ないわけではあるが、十五歳でともなると開いた口が塞がらないというか、こまちに憧れて小説を書き始めた私としては混乱は計り知れないというか。

幼稚園児にとって中学生は圧倒的に大人の範疇であることは疑いないが、十五歳でババア呼ばわりはやはり止めて欲しい。もしうちにも孫娘がいたらその辺の感覚を細かく問いただして実際どう感じているか知ることもできるのだが(やっぱり今回もそこが着地点だったか)。

ていうか『海月姫』のあの(眼鏡の)お兄さんがあまりにも素敵すぎるという話をするつもりだったのに前振りだけで終わってしまった(しまった)。

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