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2021年7月3日土曜日

●の中【同音異句2】

の中【同音異句2】
compiled by 佐藤りえ

一月の川一月の谷の中  飯田龍太

薔薇の実の雨の中なる甲斐の国  橋本直

目のなかの冬ぞら庭木せめて立つ  阿部青鞋

雪の日の餃子の中に眠るかな  中村安伸

天道虫だましの中の天道虫   高野素十

locate
rainy
visible
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one of them

2021年3月5日金曜日

●ついている【同音異句1】

ついている【同音異句1】

   compiled by 佐藤りえ

嘘ついている梨の実のみずみずし  森田智子

山笑ふ名のついてゐる池の鯉  村上喜代子

ついて消え今ついてゐる懐炉かな  阿波野青畝

わたしにはわたしがついてゐる淑気  正木ゆう子

秋の蚊にゆふぐれの血がついてゐる  鴇田智哉

坊ちゃんに清ついてゐる夜の秋  津川絵里子『夜の水平線』


lie
a.k.a.
fire
Allies
blood
part

2012年2月26日日曜日

〔今週号の表紙〕第253号 えきすぱんしょん 佐藤りえ

今週号の表紙〕
第253号 えきすぱんしょん

佐藤りえ


曇っているのに妙に明るい。

じぶんの影も見えないような曇天。めぐりのものがくっきりと見えてその輪郭にゆらぎがない。日の光を受けて必要以上に強調されたところがないからなのか、すべてが等しく遠くにあるような、まったく近くにあるような、不自然な距離感に支配されだした。

ふと、目の前の西洋の駅のようでもある建物が膨張をはじめたような錯覚に陥った。低い雲のほうへ向けて、周囲の建造物や道路との隙間を埋めて、どんどん膨らんでいく。煉瓦のひとつひとつがわかちがたく結びつき、こちらへ向けて迫ってくる。

巨大な建物は基礎ごと宙に浮かび上がり、虚空のかなたで、いつかどこかで見た天空の城になるだろう。

……か?

いや、ならない。

妄想も膨らむ、ものみな芽吹く春である。

撮影場所:恵比寿


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