【俳誌拝読】
『奎』第5号(2018年3月12日)2/2
≫承前
ひきつづき、同人諸氏作品より1句ずつ。
浅蜊静かCMに入るワイドショー 小春空
節分の鬼も一緒に笑ひたる 柴田健
春塵の駱駝の瘤の尖りけり 清水憲一
体温は答へを持ちて朧月 下楠絵里
薇の龍になりしを待ちゐたる 田中目八
春灯に吉右衛門の銘うしろ闇 中井草雨
寒鯉やベルトに伸びた穴がある なつはづき
幾度も踏まれて音のせぬ落葉 原英
帰る鴨イヤフォンめいて離ればなれ 春野温
傷一つスーツケースに春の風 東影鈴子
春の泥片側だけが乾きだす 平山哲行
蜂蜜の底にたまつてゐて四月 細村星一郎
ピラミッドを文鎮にして春の海 松本青山
眼球は魚のにおい寝正月 都めぐみ
ふらここの鉄くさき手をつなぎ合ふ 森優希乃
地球儀の海の平らや日短 若林哲哉
なまはげの喉まで酒で焼けており 若林部長
(西原天気・記)
2018年4月19日木曜日
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