2012年6月17日日曜日

〔今週号の表紙〕第269号 灯台 青山茂根

今週号の表紙〕第269号 灯台

青山茂根


空と白の対比。城ヶ島灯台です。

先日、2012年6月3日号の「週刊俳句」編集後記にて、村越敦さんが書かれていた、「週俳は、どこまでも自由で、どこまでもアナーキー。」という箇所を読んで、この写真を撮ったことを思い出しました。

何気ない景も、切り取り方でまったく別の意味が生まれることもある。俳句って、そんなものでしょうか。

英国の児童文学作家、エドワード・アーディゾーニに、『チムとうだいをまもる』(福音館 2001)という本があります。原題は、「TIM TO THE LIGHTHOUSE」 by Edward Ardizzone, Oxford, U.K.,1968。英国の当時の灯台の断面図が描かれていて面白いのですが、ストーリーはちょっとスリリングで、「なんぱせんあらし」に灯台守が襲われて怪我をする話です。

「なんぱせんあらし=難破船荒らし」とは、大きな船が近くを通る時刻に、本物の灯台の光を消して近くに偽者の光をつけ、偽者の光にだまされた船が岩に乗り上げ難破すると、浜に打ち寄せられた金目の積荷を盗む泥棒のことです。

いや、この場合、被害者が出ますから強盗の一種というべきでしょうか。(フランス、ブルターニュ地方沿岸の難破船荒らしの話。参考までに。http://www.kourita.com/jp/zukan/ag_izanabi.html

これが児童文学の題材になるということは、周囲を海に囲まれた英国ではしばしばそのような事件が起きたのでしょう。

灯台、時々思い出したように触れてみたくなります。


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