2013年1月26日土曜日

【俳誌拝読】『雷魚』第93号(2013年1月1日)

【俳誌拝読】
『雷魚』第93号(2013年1月1日)


B5判、本文34頁。発行人:小宅容義。

附録として『八田木枯追悼号』。

八田木枯の100句(寺澤一雄選)のほか、同人による「八田木枯の一句」、「雷魚の会」内外から追悼エッセイ10篇、角谷昌子「八田木枯論~異界を覗く」ほか。

なかでも寺澤一雄による「八田木枯句集解題」はコンパクトかつ貴重。


以下、第93号本誌に掲載の同人諸氏俳句作品より。

父は黒潮オハイオから手紙  蘓原三代

手袋の残る片手のようにいる  森 章

遠眼鏡夕凪の街なめていく  神山 宏

はじかみの一つひとつの形かな  亀田虎童子

秋すでにこそりと桐の葉の落ちる  北上正枝

秋風や四角に切って大谷石  小島良子

朝顔の種とる痩せたのも抓む  小林幹彦

秋に入る草の中から杭の影  櫻井ゆか

蟷螂の口中くらくもえにけり  鈴木夏子

漱石も砥石も暑し金物屋  関戸美智子

冬椿海がざらざらしてきたる  竹内弘子

東京の境に川や草の花  寺澤一雄

海を聴く向日葵黒き首を垂れ  遠山陽子

夏の蝶ダムの深さに吸はれけり  平佐悦子

うす墨のひとふでがきの風は秋  細根 栞

鮟鱇が剝がれつつ見る街あかり  増田陽一

そのそもの事をもそもそ夜長し  松下道臣

かつてつかいし重石は石に白泉忌  三橋孝子

弦月の一人を容れてエレベーター  宮路久子

自転車を電車に乗せて夏の果て  茂田慶花

滝落ちて地球の隅っこだと思う  山中理恵

雪吊りにはげしい雨となりにけり  遊佐光子

犬小屋を出て犬吼ゆる暮の秋  太田うさぎ

からすうり午後はさっぱり日当らず  大塚阿澄


岡本高明氏・追悼ページより

だんだんに囀りの木の濡れてきし   岡本高明


(西原天気・記)

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