〔今週号の表紙〕
第326号 バス停
橋本有史
このバス停は、北海道の道西増毛と留萌の間にあるバス停である。ちなみに増毛は作詞家なかにし礼の出身地であり石狩挽歌はこの地で生まれた。後ろには穏やかな日本海が広がる。
今から60年前、増毛、留萌、そしてその北に位置する羽幌は街の絶頂期を迎えていた。石炭、そして鰊。羽幌は日本有数の良質な石炭を産出、また留萌、増毛は海が鰊の精子で真っ白になるそれほどの鰊が繰り返し押し寄せた。
最後の鰊群来は昭和28年だったと聞く。羽幌炭坑は1970年に閉山された。冬は大荒れの場所だが、この季節は穏やかな風景が延々と続いている。この街の昔を知らない歳だが、海風の中にヤン衆の、そして沖仲仕の声を聞いた気がした。
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2013年7月21日日曜日
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