【俳誌拝読】
『鏡』第13号(2014年7月1日)を読む
西原天気
A5判、本文48頁。発行人:寺澤一雄。
春満月少年は首締めあへり 遠山陽子
交みをる上下の蟇の色違ふ 寺澤一雄
たぬき蕎麦のたぬきのところ春惜しむ 谷 雅子
冷房に背伸びして背が高くなる 佐藤文香
一面と見えてまばらに蓮華草 森宮保子
電磁波は体に悪し青簾 中村 裕
藤房のはじまるところ誰も知らず 笹木くろえ
傷口の塞がることも夜の枇杷 遠藤 治
五月闇ぼんやり白い花ばかり 大上朝美
啓蟄の月のまはりに雲ゆたか 越智友亮
紫陽花のなかへ戻つてゆくかたち 羽田野 令
夜は花の泰山木に凭れゐる 八田夕刈
ひとりでにパソコン眠る梅雨晴間 東 直子
川越に成城石井ありて春 村井康司
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余談。俳誌ではめずらしいことではないが、「ふつう印刷には使わない字(ウソの字)」が混入(句集だと校正・校閲が入るのでたいていは「正字」に直る)。※旧字・新字ということではまったくない。為念。
噛→嚙 ×→噌 ×→餅 蝉→蟬 剥→剝
(他にもあるかも)
以前はパソコン(ワープロ)で「ウソの字」ばかり出たが、このところ急速に改善され、正しい字が出るようになっている(上記の右側)。
正しい活字じゃなきゃダメと主張するのではない(厳格主義ではまったくない)が、ちょっと気をつけると、かなり防げる。
2014年7月17日木曜日
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