樋口由紀子
大雪のため初夢が遅れてる
丸山進 (まるやま・すすむ)1943~
目覚めたら、初夢を見ていないことに気づいた。初夢は新年のある夜にみる夢。この夢で一年の吉凶が占えるというのにどうも見なかったようだ。そういえば、昨夜は大雪だった。そのせいだったのか。それならばしかたがない。
新千歳空港が大雪のために欠航が相次いでいると年明けのニュースが報じていた。大雪のために飛行機や列車が遅れたり、物資が届かなったりすることはあるが、初夢はその類ではない。そもそも初夢が遅れるという発想自体がへんだが、そのおかしみに心がふわっと軽くなる。そして、噛み合わない場面展開の軽妙さがファンタジーの世界にかろやかに運んでくれる。「大雪」と「初夢」の意外な組み合わせが掲句の醍醐味である。
≫ブログ「あほうどり」1月1日
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