浅沼璞
此(この)池波の小便に月 一礼(前句)
うたかたの泡五六服霧たてゝ 同(付句)
『投盃』第三(延宝8年・1680)
立小便の泡を抹茶のそれに見立てた付合。
付句では「……服」「……たて」と茶道の縁語をつかいながら、「月」を受けて「霧」で秋のあしらいをしてる。
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それにしても泡が五六服とは、ぷくぷくした感じで笑える。
結句に至っては、狭霧つまり水しぶきがたってるようで尚笑える。
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ちなみに談林で小便の句といえば「しゝ/\し若子の寝覚の時雨かな」(両吟一日千句)の西鶴発句が知られてるが、付句でも「小便はちく/\出て物思ひ」(独吟一日千句)などと際どい恋を西鶴はしてる。
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〔柏雨軒一礼(はくうけん・いちれい)は大坂商人で宗因門。『投盃』(なげさかづき)は独吟百韻十巻を収めた連句集。〕
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