西原天気
※樋口由紀子さんオヤスミにつき代打。
俳句自動生成ロボット「忌日くん」(三島ゆかり制作)は衝撃でした。
10句作品「おとといの人体」はこちら↓↓↓
いったいぜんたいなんなんですか。テレビ忌とか。半分忌とか。
「~忌」といえば、広島忌等の例外はあるものの、人に付くものでしたが、「忌日くん」という血も涙もないロボットは、なんにでも「忌」を付けて、俳句にしてしまう。そこが衝撃的であったのです。
ところが、『現代川柳の精鋭たち』(2000年7月/北宋社)をめくっていると、「忌日くん」よりも以前に、とんでもない忌日が用いられているではありませんか。
怪獣の肉をほおばる鉛筆忌 普川素床(ふかわ・そしょう)
「鉛筆忌」なるものの正体について、あれこれ考えたい人は、ああでもないこうでもないと考えてみることをおすすめします。きっと愉しいはず。
「怪獣の肉」という箇所も、私には軽い衝撃で、斃れたあと、その肉を食用にするなんて、誰も考えなかったのではないか。食べられるなら、ずいぶんな量です。
ふたつの衝撃的な謎・不思議が合わさって、この食事シーンは、宇宙の果て・時間の果て、どころか、もっと遠い場所、つまり、どこをどう探してもどこにもない部屋で進行しているかのような気になってきて、結果、読者たる私の思いの馳せた距離のせい、そのはるかさのせいでしょう、いま、軽く、めまいがしています。
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