樋口由紀子
どんなナムルな日曜でしたか
妹尾凛(せのお・りん)1958~
「どんな」は連体詞で名詞につける。「この」「そちら」「あの」と同様に読み手に想像を預けることのできる都合のいい言葉である。「ナムル」の種類はいろいろあるが、味付けはナムルであり、それほどの変わりない。しかし、「どんなナムル」と問われれば考え込んでしまう。
「ナムル」から「日曜」に繋がる構成で、「日曜でしたか」と畳みこむことによって、「どんなナムル」は喩としてのはたらきを発揮する。「ナムルな」の「ナ」と「な」の音感で挟み合っているのもいい。「日曜ですか」とすれば七七に収まるのに、「でしたか」と七八で、過去形にして、雰囲気を替える。意図的なのか、無意識なのか。心情の出し方が微妙である。
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