ランカシャーのブラックバーンに穴が4000個
中嶋憲武
池の上駅前で友人と待ち合わせ。
坂を降りて行った先が、下北沢の街。
駅前のたいそう旨い定食屋で昼餉。秋刀魚塩焼き定食。
食後は散歩と天保のむかしから決まっている。ので、歩く。
歩く。
Let's豪徳寺まで歩き、東急世田谷線山下駅にぶつかる。ここの駅は、そのむかし栗田ひろみ主演の「放課後」という映画に出てきたので印象深い。井上陽水の「いつのまにか少女は」という楽曲が挿入されていたもんだ。主題歌が「夢の中へ」であった。電車も駅もあのころとすっかり変ってしまっている。
赤堤を抜けて、日大桜ヶ丘高校、日大文理学部の周囲を廻り、松沢病院に突き当たる。病院に沿って歩いて行くと八幡山の駅。帰りは少し迷うが、行きと逆のコースで友人宅まで戻る。およそ10キロほどの行程。ほどよい距離か。
友人宅のサラウンドの環境でビートルズのステレオボックスを聴く。サラウンドで聴いてしまうと、当然のことながらこの環境が一番いいような気がする。あたかも目の前でビートルズの4人が演奏してくれているように聞こえる。演奏技術を差し引いても、頭クラクラ胸ワクワク下半身モヤモヤの要素はぴったり満たしている。最後の録音となった「アビイ・ロード」はさすがに迫力がある。「カム・トゥゲザー」の冒頭からしてぶっ飛びますよ。サラウンドだったから尚更だけど。それからちょうど10年ののちのスティーリー・ダン「ガウチョ」と聞き比べてみると、ロックの到達点ということをしみじみと感じる。
このステレオボックス、友人はいらないと言うので料金後払いで、ぼくはお持ち帰りさせてもらった。
家に帰り、明け方まで聴く。ぼくはビートルズに関してはオタクであるので、今までのCD盤と聴き比べてみるといろいろと面白かった。サージェントペパーのインナーグルーブ(Hahaha, I never could see any other wayって、アレです)は今までのCD盤は12回でフェードアウトだが、ステレオ盤は11回だ。「エリナー・リグビー」はイエローサブマリンソングトラックのものが、ベストだと思っていたが、ステレオ盤は変な振り分け方をしていて、これはこれで味のあるものだ。他にもシーズ・ア・ウーマンなど従来の盤は、霧のなかから聞こえるような感じだったが、ステレオ盤はくっきりとした晴天で聴いているような印象になった。ヴォーカルがソリッドになったのだ。聞き込んでいくうちにまだ新しい発見があるかもしれない。
でも、一番ビートルズの音にワクワクするのは外を何気なく歩いていて、不意に店先などから聞こえてきた、ちゃちなラジカセのやたらに高音を強調した安っぽいサウンドだけどね。
2009年9月23日水曜日
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1 件のコメント:
註
I read the news today oh boy
Four thousand holes in Blackburn, Lancashire
And though the holes were rather small
They had to count them all
Now they know how many holes it takes to fill the Albert Hall
(A Day in the Life)
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