誌上句会「福助」・選句一覧(2)
選句一覧と作者です。句数が多いので、1日1題ずつ、4日間にわたって発表させていただきます。
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【頭】
ケチャップを吸ひつくしさて膝頭 真冬
○信治
■一分の隙もなく、へんな人である。なにが「さて」かw(信治)
■全然分からないんですが、気になってしょうがない句。(沖らくだ)
■ズボンに付けちゃった。(痾窮)
そぞろ寒頭痛到頭歯に到り 小川春休
○るる
■「到頭」が巧いです。(るる)
■頭痛も歯痛も「そぞろ寒」位なら大したことではない(痾窮)
■頭痛も歯痛もたまらない、それで寒いからもっとたまらない、実感の一句。(知昭)
ひよんの実や頭が高い頭が高すぎる 廣島屋
○信治○文香○藤幹子○鈴木不意○沖らくだ○天気○中塚健太
■錯乱している。(信治)
■二度目の「頭が」に心打たれました。図々しい。(文香)
■言い回しが面白い面白すぎる。(藤幹子)
■「頭が高い」で終わらせず、「頭が高すぎる」と高飛車に言い放ったのが良かった。「ひよん」の仮名表記も生きている。漢字にしたら重くなり野暮ったくなったろう。(鈴木不意)
■子どもの遊びの時代劇みたいに、罪がなくて、でも大仰な感じがあって、そこが滑稽。くり返しのダメ押しがいい。(沖らくだ)
■繰り返しの威力。季語は、まあ、どうでもいい感じでしょうか。でも「ひよんの実や」は、いいです(天気)
■ほんと、どうしてこうもついつい頭が高くなってしまうのか。自戒の念を呼び覚ます句です。(中塚健太)
■すみません。(宮本佳世乃)
■http://blogs.yahoo.co.jp/biroochana/37718101.html写真でも初めて見ました。(痾窮)
福助の頭のなかのきつねうどん 天気
○sono○風族○宮本佳世乃○山田露結○知昭
■脳味噌の代わりとして「きつねうどん」は素敵だ。福助の頭を見たら、きつねうどんしか浮かばなくなる忘れられない句。(sono)
■意味不明だけど楽しい。(風族)
■骨をあけたらうどんが出てくる。うどんがちょっと脳みたいでおかしい。(宮本佳世乃)
■福助はそもそも茶屋や遊女屋などで祀られた福の神らしい。どこか神秘的な印象があるのはそのためか。あの大きな頭の中に何が詰まっているのか、たいへん興味深いところではある。「きつねうどん」と言われて「なるほど」とは思わないものの、何となくしっくりくるような、こないような。福助の神秘性からすれば当たり前のものが詰まっていては駄目なのだろう。(山田露結)
■頭を揺らすときつねうどんがたぷんたぷん・・・とするのか、この福助。帽子の中にうどんがあるという句があったが、脳がうどんというのはさすが福助というべきか。(知昭)
■あの姿勢のままでは腹もすく、きつねうどん6音がな~。(痾窮)
園丁の頭に落ちる青虫は どんぐり
■園丁(えんてい)=庭師。そういうことも有るかと。(痾窮)
楽譜読む目頭はるかすすきはら 宮本佳世乃
■目頭=目の鼻に近い方の端、では変。(痾窮)
汗頭相談する外科医アダプター 埋図
■3物衝突?じゃないな<多汗症を診て貰う医者は社会との接続補助具>と、意味は通るが…(痾窮)
秋時雨ラムプの頭たァ黒帽よ 文香
■煤で黒く成って。(痾窮)
初嵐薄き頭の解説者 正則
○藤幹子○風狂子
■地肌をそよぐ残んの髪を激しく意識します。(藤幹子)
■問答無用で笑わせられた(風狂子)
■言ってやんなさんなっ、本人が誰より気にしてる筈。(痾窮)
大いなる頭とれたる案山子かな るる
○義知○埋図○鈴木不意○小川春休○岡本雅哉
■案山子をそのままどうかすると言うのはありますが、「頭とれたる」が妙。(義知)
■雀等に少しはにらみを効かしたものだが、道路に警察官の看板とかパトカーの図があったりと人間にも多少は巾を効かせたもんだが、今は、すっかり見透かされてしまった。頭があっても、取れたとか大いなる取れとか云われっぱなしだ。(埋図)
■転がっている頭を想像すると、けっこう怖い。(鈴木不意)
■頭だけがアンバランスにデカかった案山子。その大頭が取れたときの印象の変わりよう、ヒョロヒョロした頭の無い案山子が目に浮かぶ。(小川春休)
■案山子は頭がすべて、ということに気付かされました。(岡本雅哉)
■頭が取れったって案山子は案山子、かもめはかもめ、人は屍。「大いなる」が非凡。(痾窮)
剃りたての頭に哀蚊のとまる月夜 風狂子
■定型に出来ると思う。「剃りたての頭に秋の蚊や月夜」破調季語2入り例。(痾窮)
天高し頭上注意を励行す 中塚健太
○小川春休○正則
■素朴な内容の句ですが、これぐらい素朴な方が、「天高し」という大らかな季語が生きてくるように思いました。(小川春休)
■工事現場では、注意を喚起するべく多くの看板が掛けられている、頭上注意もよく見かける看板で、近親感が湧く(正則)
■却って危険なのでは。(痾窮)
盗品に頭蓋骨一(いち)秋日濃し 内田董一
■まぬけなドロボーと言うか、思わぬ所で悪事がバレタと言うか。隠し財産を盗まれて脱税がバレタと言った風情。(痾窮)
燈火親し白頭だけとなつてをり 鈴木不意
○どんぐり
■残業は管理職ばかり。(どんぐり)
■能の?(痾窮)
頭から食べられてゆく羊かな sono
○信治○山田露結○天気
■かわいいです。(信治)
■な、なんだ、これは!ローリング・ストーンズのアルバム『山羊の頭のスープ』 (Goats Head Soup)のジャケットには皿の上に盛り付けられた山羊の頭の写真が載っていたけれど、そういう類の料理だろうか。まさか、恐竜のような巨大生物が羊を食べているとは考えにくい。羊の列が建物か何かの陰に入っていく様子を描いたのか。しかも無季?この訳のわからなさに降参。(山田露結)
■食べちゃいますか。意表。すごい悪魔性を感じました(天気)
■ゲームのような世界。(宮本佳世乃)
■誰が(動物?)がどのように頭から羊を食べてゆくのかわからない。(るる)
■羊が1匹羊が2匹…(痾窮)
頭から生えてゐるなりケムール人 信治
○埋図○真冬○廣島屋
■ケムール人に昨日合った時、何で頭から映えて居るんだと云われて、面食らった。だって、その通りではないか。生まれたてのようにだ。いつものようにだ。(埋図)
■この文脈で言うと頭からケムール人が生えていて。ただならぬことです。(真冬)
■「ゐるなり」というあまりに冗長な措辞が気になりますが、やはりケムール人が。(廣島屋)
■ウルトラマン・ネタは面白いが、描写がわかりづらい。(るる)
■どんな状況かしらん、と小一時間はニヤニヤできます。上半身だけ斜めに突き出てるんだろうなあ(藤幹子)
■作者の頭からなら面白い。<ケムール人は、特撮テレビ番組『ウルトラQ』を始めとするウルトラシリーズに登場した架空の宇宙人。別名「誘拐怪人」。 体色は殆ど黒に近い濃紺で頭部が長く、その表面に亀裂のように走るラインから左右非対称の高さで各方面から三つの目が露出している(Wiki)>(痾窮)
頭より腹に落ち来る秋思かな 小早川忠義
■あざとい。類想あり。(るる)
■神経性胃炎と診断。(痾窮)
頭骨から尾骨まで蛇穴に入る 風族
○義知○真冬○小早川忠義○鈴木不意
■背骨を蛇に見立てた印象句。(義知)
■句を作るには対象をよく見て、といわれて、とてつもなくよく見てしまいました。(真冬)
■ヘビには、頭骨とか尾骨とかあったんでしたっけ。頭蓋骨や尾椎はあるでしょうけど。しかしながら説得力のあるところは発想の勝利のように思えま す。蛇穴に入る、ときたところで「頭の先からつま先まで」ではなしに骨に着目したのですから。(小早川忠義)
■X線によるレントゲン写真を見ている思いがする。おもしろい見方だ。(鈴木不意)
■そりや冬眠するのですから。(痾窮)
頭数足りずに広い三遊間 岡本雅哉
○正則○知昭
■私どもでも、少人数で句会を行うが、時に会場がことのほか人数より必要以上に広いときもある。実感があると思います。(正則)
■一打サヨナラ負けという場面で、外野手を内野に置くというシフトは見たことがありますが、この句は人数不足がありあり。チームの無事を祈る。(知昭)
■無季なのは良いが、広い理由を説明しては駄目。(るる)
■草野球は足りなくても構わずやっちゃうんですね。いないところは気力体力で補ってください^^;(沖らくだ)
■草野球では良くあること。(痾窮)
頭部抜け出てセーターてふ毛の塊 近恵
■巧いけど、あざとい感あり。類想あり。(るる)
■縮んだセーターからやっと首を出してこれも毛の塊と。(痾窮)
頭文字ひとつ花野に捨てにゆく 沖らくだ
○内田董一○どんぐり○中塚健太○猫髭
■おしゃれすぎる内容? でも、静かな雰囲気が好きでした。(内田董一)
■こんなはずじゃなかったのになあ。頭文字捨てたらきっと。(どんぐり)
■婚姻による改姓か、俳号を付けたのか、などとお名前のこととして読んでしまいました。喪失感とヒロイズムが、歳時記の世界に欧文文字が捨ててあるシュールな景に結晶。(中塚健太)
■何の頭文字を捨てに行くのかと想像させる作りが面白い。(猫髭)
■去って行った恋人の。(痾窮)
福助の夜霧へ垂らす頭蓋かな 藤幹子
○sono○恵
■これは忘れられた福助だと思う。哀愁の福助。(sono)
■おじぎ福助でしょうか。福助も夜霧で幻想的に(恵)
■夜霧と福助の照応。いただきたかった句。「こうべをたれる」という慣用句を呼び寄せてしまうところが難か(天気)
■夜霧よ今夜も有難う…。(痾窮)
豊年や首で支へてゐる頭 山田露結
○るる○文香○沖らくだ○小川春休○正則○恵
■当たり前の事に深い意味があると思わせる初五の季語が見事です。(るる)
■首までが体で、その本体。案山子とは言わないのが、巧み。(文香)
■確かに。当然っちゃ当然ですが、「豊年や」と置かれるとなんだか説得力があります。一票。(沖らくだ)
■「豊年」という季語には、収穫の豊かさと、万物への感謝が感じられます。重い頭を年中無休で支えている首にも、よくがんばったな、と一声かけてやりたいようなそんな気持ち。(小川春休)
■賄金スーツを新調し、ワイシャツも寸法取りした。肥満体?のせいか、首回りが大きかった。この句にはその哀愁感があるように感じた。(正則)
■当たり前のことなんだけど、そういわれるとドキッとする。豊年がどっしり感を与えている(恵)
■稲穂。(痾窮)
門扉閉ざして裏の畑の八つ頭 義知
○猫髭○岡本雅哉
■「八つ頭」の「つ」は不用。「門扉閉ざして」も冗長に詠む必然性は感じないが、八頭がぼこぼこ地中に蔓延るイメージが、今年は里芋が豊作だっただけに面白い。(猫髭)
■門の前から家の上を通り裏の畑に。 視点が俯瞰的に移動する気持よさ。(岡本雅哉)
■こっそり喰すわけですな。(痾窮)
野分して頭の内の吹きだまり 痾窮
○どんぐり
■吹きだまりのもやもや感がいいです(どんぐり)
林檎酢のたらりとかをる氷頭膾 猫髭
■美味しそう。報告で終わらせるなんてずるい。(るる)
■食べたことないんですが、これは美味そう。(沖らくだ)
■食べたことないからな~。<氷頭なます(ひずなます)は、北海道地方、青森県および岩手県の沿岸部、新潟県に伝わる郷土料理である。 氷頭とは鮭の鼻先の軟骨の部分のことを指す。氷のように透きとおっているためこのように呼ばれる。(Wiki)>(痾窮)
曼珠沙華ではおさまらぬ頭痛かな 知昭
○内田董一○廣島屋○中村遥
■ストレートな取り合わせではなく、因果関係の一句に仕立てています。それが成功していました。(内田董一)
■おさまらないだろうな、曼珠沙華では。と納得してしまったので。(廣島屋)
■曼珠沙華と頭痛の取り合わせ絶妙。只、曼珠沙華の赤は一層頭痛を増幅しそうな。(中村遥)
■神経毒なので民間療法は危険。歴史的に頭痛薬ネタの類想句多し。(るる)
■曼珠沙華は薬になるらしい。(痾窮)
曼珠沙華満開頭痛薬飲まな 中村遥
○風狂子
■彼岸花の赤い花が割れた頭蓋の中身を連想(風狂子)
■歴史的に頭痛薬ネタの類想句多し。(るる)
■これも曼珠沙華に薬効が有るとの(どんなか知らんけど)発想。(痾窮)
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