2012年4月30日月曜日

●月曜日の一句〔小池康生〕 相子智恵


相子智恵








燃えだすも咲くも四月のひとしごと  小池康生

句集『旧の渚』(2012.4/ふらんす堂)より。

何かと忙しい四月も、今日で終わりだ。毎年、ドドドッと連休になだれ込んで、四月が終わってゆく。

掲句、なるほど花が咲き乱れるのは〈四月のひとしごと〉である。

そして〈燃えだす〉のも四月の仕事だと言われれば、それは一瞬の驚きとともに、確かな実感をもって迫ってくる。〈燃えだす〉の熱さや高揚感、そして痛みは、四月という季節が、ただの花咲く美しい季節ではないことを伝えてくれる。春は美しく楽しい季節であるとともに、万物が一斉にメラメラと燃えるように動き出す「しんどさ」もあるのだ。

縦書きの詩を愛すなり五月の木

明日からは五月。四月にくらべてすっきりとした風通しのよい五月を、作者は〈縦書きの詩を愛す〉る月だと捉えた。

そうだ、すっきりとした五月は〈縦書きの詩〉を愛そうか。なかでも俳句という、短い詩を愛するのはどうだろう。

新緑の〈五月の木〉のように一本すっくと伸びた、瑞々しい俳句という詩を。

2012年4月29日日曜日

〔PHOTO ALBUM〕「週刊俳句」創刊5周年記念パーティー

〔PHOTO ALBUM〕
「週刊俳句」創刊5周年記念パーティー



2012年4月28日土曜日

●窓



江戸住や二階の窓の初幟  一茶

家に窓窓に雨ある若葉かな  尾崎紅葉

哭く女窓の寒潮縞をなし  西東三鬼

小鳥来るあゝその窓に意味はない  岡野泰輔〔*〕

裏窓の裸醜し又美し  瀧 春一

ぶらんこの飛び出すブリューゲルの窓  日原 傅

室町期おわるようなり窓に風  阿部完市

灯を消せば涼しき星や窓に入る  夏目漱石

窓に他人の屋根また迫る朝の紅茶  林田紀音夫


〔*〕『俳コレ』(2011年12月・邑書林)より


2012年4月27日金曜日

●金曜日の川柳〔田中五呂八〕 樋口由紀子


樋口由紀子








欠伸したその瞬間が宇宙です


田中五呂八(たなか・ごろはち)1895~1937

春は眠い。眠いとき退屈なとき疲れているときについ欠伸が出てしまう。欠伸は血液中の酸素の欠乏などで起こるらしく、あまりみっともよいものではない。しかし、この句は宇宙とつなげた。欠乏で起こる欠伸がなにやら別のものに思えてくる。そういえば欠伸をすると耳がしゅんとなるが、異次元につながっているからかもしれない。

新興川柳には宇宙を詠んだ句がなぜか多い。宇宙は現実の時空ではなかったのだ。未知の比喩で、あこがれであり、大きなもの、日常の些事を忘れさせるものであったのだろう。

田中五呂八は新興川柳の祖と言われている。小樽から川柳誌「氷原」を創刊した。「表現」を意識していたのだろうか。「新興川柳」とは五呂八が名づけたもので、のちの「新興短歌」「新興俳句」運動の先駆をなしている。五呂八は川柳は詩であり、短詩型文学でありたいと願った。〈人間を摑めば風が手にのこり〉〈足があるから人間に嘘がある〉〈人の住む窓を出てゆく蝶一つ〉

2012年4月26日木曜日

●明後日は5周年オフ会

明後日は5周年オフ会

4月28日は5周年オフ会です。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2012/03/5.html

御参加表明いただいていなくても、気が向けばお出かけください。

かまちよしろうさん「犬サブレ 赤」の即売会ほか、イベントもいくつか。