2013年12月31日火曜日

●What Are You Doing New Years Eve?

What Are You Doing New Years Eve?


2013年12月30日月曜日

●月曜日の一句〔澤田和弥〕相子智恵

 
相子智恵







闇汁の半分がまだ生きてゐる  澤田和弥

「嬉しきひと」(『あすてりずむ』vol.4 2013winter)より

〈闇汁〉は言わずと知れた、灯を消した室内で、めいめいが持ち寄った食べ物の名前を告げぬままに鍋に投じ、煮えた頃に暗中模索し、すくい上げて食べる遊びである。明治・大正期の書生たちが盛んに行ったといい、子規も「ホトトギス」発行所でしばしば楽しんだという。

『世界大百科事典』(第二版)では、闇汁のような食べ方を〈飲食遊戯ないしは遊戯的共食〉と解説しており、衣食が充足された状況下では必ず起こるものだという。

たしかに闇汁は、旬の食べ物を味わったり、栄養を体に取り入れるための食事ではなく、単純に遊戯だ。それは子どもの頃に「食べ物で遊んではいけません」と叱られた道徳観念と対極にある。その後ろめたさと、だからこその背徳的な快楽を、掲句は気味の悪さのなかに思い出させる。

〈半分がまだ生きてゐる〉は、投じた食べ物であろう。暗闇の中で、半死半生でうごめく謎の食材の気味の悪さと、生きたままに煮えていく残酷さ。しかもそれが食べる側の「ただの遊び」だから、食材にとっては二重に残酷である。

しかしそれでも〈まだ生きてゐる〉という食材側の妙な生命力が光っていて、不屈の笑いのようなものを見せつける。不気味ながらに、それがなんとも面白いのだ。

2013年12月29日日曜日

【新刊】山内令南作品集『夢の誕生日』

【新刊】

山内令南作品集『夢の誕生日』(2013年12月19日・あざみエージェント)


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2013年12月28日土曜日

●わたくし

わたくし


わたくしを風景として山眠る  須藤 徹

数へ日のともあれわたくしの居場所  土肥あき子

わたくしの中の老人さくら見る  雪我狂流〔*

わたくしの瞳(め)になりたがつてゐる葡萄  野口る理〔***

わたくしに劣るものなく梅雨きのこ  池田澄子


〔*『俳コレ』(2011年12月・邑書林)より
**野口る理句集『しやりり』(2013年12月・ふらんす堂)より

2013年12月27日金曜日

●金曜日の川柳〔峯裕見子〕樋口由紀子



樋口由紀子






しっかりと長さを見せて蛇通る

峯裕見子 (みね・ゆみこ) 1951~

道端などで蛇に出くわすとびっくりする。さも運が悪かったかのように、「きゃー」と言って、逃げてしまう。ぬるっとしていて、異様な動きのする蛇は嫌われものである。しかし、蛇はそんな対応にもメゲることもなく、自分の姿をしっかりと見せて、ゆっくりと進んでいく。作者もあまり堂々さぶりに感心して、頼もしくなって、怖いのも忘れて見入ってしまったのだろう。

今年は蛇年であった。私の干支も蛇。さて、この一年はどんな年であっただろうか。蛇のようにしっかりと長さを見せただろうか。自分の姿できちんと過ごせただろうか。そう思うとはなはだ心もとない。『川柳の森』(大巧社刊 2000年)所収。