歌仙「百年」
囀や築百年の時計塔 恵 三春
額あかるく仰ぐ春天 天気 三春
つるりんと卵は殻を抜け出して うさぎ 雑
制服のまま通ふ雀荘 淡水魚 雑
月の鉤垂れて天帝ひとを釣り 鮟鱇 月の座・仲秋
うまく抓めぬ虫籠の蓋 恵 三秋
〔初折裏〕
割箸を割る音ひびく紅葉狩 敦 晩秋
三倉茉奈佳奈どちらがお好き 三だる 雑
抱かれて通天閣の灯が窓に 遥 恋
空港で待つむかしの男 淡水魚 恋
亡命のサイン打合せと違ふ うさぎ 雑
バレーボールのネットに土鳩 恵 雑
竜笛に光を増せる夏の月 三だる 夏・月の座
信濃太郎の逆鱗に触れ 廣島屋 三夏
今朝もまた気象予報の大外れ 七 雑
バウムクーヘン工場の怪 三だる 雑
煙突が花屑ひとつ吐き出して 由季 春・花の座
調書をとりし後にぶらんこ 廣島屋 三春
〔名残表〕
おづおづと子猫手を出すやじろべえ お気楽堂 晩春
東海道に巣食ふ山賊 恵 雑
指先に残る飯粒ぺろりんと 敦 雑
切手五枚で九円を足す お気楽堂 雑
街角のギターケースに降る木の葉 三だる 三冬
禁じられたる冬野に遊び 由季 三冬
寝たばこの火を昂ぶりに置きかへて 銀河 恋
君と暮らした洞窟を去る M玉 恋
迷子札付けてフレンチブルドッグ 由季 雑
ソースの付きし白衣を着替へ 遥 雑
月明かりさす舞台へと奈落より 廣島屋 秋・月の座
夜業に直す女形の鬘 恵 晩秋
〔名残裏〕
アラジンのランプこすれば霧出でて 由季 三秋
仁丹の粒ひとつ転がる 敦 雑
はやばやと達磨に目玉描き入れむ 遥 雑
雲を数へてゐてつい遅刻 三だる 雑
翁童の逢ひ別れしか花の谿 銀河 春・花の座
春を送りて響く鐘の音 お気楽堂 晩春
起首:2009年3月21日 8:26
満尾:2009年8月16日 0:12
21 件のコメント:
ご歓談タイムです。参加された方も見物専門だった方も、また初めて見たという方も、ご遠慮なくどうぞ。
天気さん、捌き役お疲れ様でした。お世話になりました。
連衆の皆さん、ありがとうございました。
発句には出遅れ、締切までに浮かばないこともありましたが、参加できて楽しかったです。ある意味無責任な気楽さがあって助かりました。
他の人の付け句は毎回興味津々でした。
気がつくと5ヶ月経過、本家もすでに121号、早いですね。
次回がありましたら、また参加します。
ありがとうございました。
「百年」満尾おめでとうございます!
てんきさん、捌き役お疲れさまでした。
連歌は、初めての経験でしたので、
てんきさんの捌きと解説が、
とても勉強になりました♪
それにしても、「打越に障ります」と、
何度言われたことでしょう・・・。
自分のおバカさ加減を
つくづく、思い知らされました(苦笑)
また、機会がありましたら、
ぜひ、参加したいと思っておりますので、
どうぞ、よろしくお願いいたします♪
天気さま
「百年」満尾、おめでとうございます。また、捌き役お疲れ様でした!
とられようがとられまいが、最後まで食らいついていくつもりでしたがw終盤になって息切れしました。今まで連句は読んでも今ひとつピンと来なくて、正直どこが面白いのかわからなかったのですが^^;今回参加してみてやっと少しだけ判ったような気がします。
連句は、読むものじゃありません。句会といっしょ。参加するものです。
わたし、他人のやってる歌仙、見ませんもんw
今回、捌きだけだったのがツラくて、ツラくて。
「百年」満尾おめでとうございます。
「百号」の方にも参加しましたが、恋の句は難しかったです。恋とはっきりわかって、しかも何か趣のある句…
この「百号」の「禁じられたる」→「寝煙草の火」→「洞窟」はとても好きでした。
あと「アラジンのランプ」から「仁丹」が出てくるところも好きです。
仁丹が霧の色をしているという天気さんの解説もすてきでした。
しっかり楽しみました。ありがとうございました。
「百年」満尾おめでとうございます。
連衆の皆様、ありがとうございました。
また、捌きをしてくださいました天気さん、お疲れ様でした。
今回初めて歌仙に参加させていただき、最初は恐る恐るでしたが、付け句を考えるのも、皆さんの出されたのを読むのも、出来上がっていくものを読むのも、妄想炸裂で存分に楽しませていただきました。
解説もわかりやすく、初心者にはとてもありがたかったです。
ありがとうございました。
「百年」満尾おめでとうございます。
天気さん、皆さま、ありがとうございました。
連句は初心者ですが、どんな展開になるのかどきどきしながら毎回楽しませていただきました。
終わってしまうとすこし寂しいです。
皆様、「百年」の満尾おめでとうございます。天気さま、楽しい捌きをありがとうございました。お疲れ様でした。
途中からのときどき参加でしたが、存分に楽しむことができました。連句はド素人なのですが、これからハマっていきそうな予感があります。次回がありましたら参加いたしますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
しかし、皆さん「初めて」とか「初心者」とか言いながら、お上手ですね。捌きに導かれていく感じなのでしょうか。
お世話になりました、てんきさまにもみなさまにも。
禁じられたる冬野に遊び 由季 三冬
寝たばこの火を昂ぶりに置きかへて 銀河 恋
君と暮らした洞窟を去る M玉 恋
ここ私もすきです(笑)。三だるさん、ありがとうございます、ねえ、これ、三人とも女性ですね、たぶん。
恋は恋として濃い目にたのしむ、をモットーにこれからも精進いたします。序破急みたいなもの、もっと考えたいね。
天気さん、つけたくてたまらないという感じなんとなくわかりましたよ、停滞したときにはとちゅうではいられたらよかったのに、そういうの許されているでしょう?
えっ…銀河さん(=吟さんでしたよね)女性ですか!他の付け句も、何か男前なんで、男性と思い込んでいました。
寝たばこの火を昂ぶりに置きかへて…渋いです。惚れそうです。
あはは、銀河さん=男前説。
アニマ・アニムス。交換可能の渾然天国。
歌仙はとりわけ、男性の詠み手が「女性役」で恋を返したり(逆も)しますから。
「作者という不自由」からの自由も、歌仙の楽しみのひとつですね。
あ、天気さんが匿名を許す数少ない場所だよね、ここ。
まあ、よろしゅう。俺、男前、俳句遊侠主義です。
「匿名を許す」も何も、
コメント欄は、
週俳もここも匿名だらけです。
禁じたり許したりの趣味はございませんので。
あと、銀河さんも吟さん連衆の皆様も
匿名ではなく「署名」。
A匿名/B俳号/C社会的実名
の区別は大事です。
Aは同一性がたどれない
B/Cは同一性がたどれる(アイデンティファイできる)
厳密なんやね。
人間は、いいかげんなんですが(笑
って、そんなに厳密でもないでしょう?
二分法なんですから。
天気さん、「百年」満尾おめでとうございます。
皆さん、ありがとうございました。
途中参加でしたが、最後まで一回も休まず参加できたことを嬉しく思っています。
連句に興味を抱き始めた時に、幸運にもウラハイでのこの企画に出会うことができたのは誠にラッキーでした。
初めて参加して歌仙の流れを体験できたこともまたラッキーでした。
恋句など詠んだこともなかったのですが私の眠っていた何かが刺激されたようでとても楽しくはまってしまいそうな。
次回、楽しい企画がありましたら是非参加させて下さい。
天気さま。満尾おめでとうござういます。お捌きお疲れさまでした。ほぼ五ヶ月に及ぶ長丁場を、なにかあっけらかんと明るく楽しんでいるような、そして、丁寧な納得させてくれる解説。ただただ頭が下がります。このような、まっとうな!?連句は結局はじめてなのですが、下手は承知で、ま、賑わいも参加の内と、楽しませてもらいました。
「つるりんと卵は殻を抜け出して うさぎ 雑
制服のまま通ふ雀荘 淡水魚 雑
月の鉤垂れて天帝ひとを釣り 鮟鱇 月の座・仲秋
うまく抓めぬ虫籠の蓋 恵 三秋」初折り表ですか。。この辺りと
「 雲を数へてゐてつい遅刻 三だる 雑
翁童の逢ひ別れしか花の谿 銀河 春・花の座
春を送りて響く鐘の音 お気楽堂 晩春」名残裏のこの辺りが好みです。
三だるさんの既知に富んだと言うか、発想の豊かな付け句にいつも感心してました。
しかし、銀河さんが恋の名手!!?いや、違った恋句がこんなにお上手とは、知らなんだ。経験値の問題か。。いや、多分想像力の問題か。。!?
とにかく楽しかったです。天気さま、連衆の皆様ありがとうございました。またお会い出来る日を楽しみにしております。七
えっ?えっ?またまたうれしがらせてチョーシにのせて・・、七風姿さんどうも。
私はかなり、恋を暗示するソレトナクそこはかとなく。。と言う感じでやってきたようなきがするんです、
でも。恋としてはっきりその一句をつくるように、という捌きの方向性に、かなり眼を開かれましたね。だから、このお手柄は天気さんのものでしょうね。
それから、ここは、けっこうおふざけがおおいでしょう?連衆のあそばせかた。ソフトな挑発性がありました。
この放恣というか天衣無縫な祝祭気分のなかで。ふだんは潜在していた能力が気がつかないうちに開発された感じ。(恋の名手、否否恋句を成熟させて下さったのは、百号、百年の現場、でしょうね。ネット連句、はじめはどうなるのかなと、野次馬半分で入れて貰ったのですが、よかったですよ。
三だるさん、
仁丹への転換をお誉めいただき、
どうもありがとうございます。とても嬉しいです(^o^)
それにしても、三だるさんの豊かな発想力には脱帽です!
頭の中身、ちょっと拝見させてください♪(笑)
七さん、敦さん、豊かな発想力だなんて心地よい褒め言葉ありがとうございました。
頭の中身は自分でも把握してないんですが、よかったら覗いてやってください。。
連句はまだ数えるほどしかやったことないんですが、やはりそれぞれの場の雰囲気というようなものがありますね。
あんまり突拍子もない付け句は出せない雰囲気の場もありますが、ココの「百年」「百号」では私ごときの発想力、全開にしても全然大丈夫!という確信を持ちましたので、気楽に付けられました。包容力のある、よい場だったと思います。
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